「もしかしてお父さんの愛人ですか?」
なぜそんな発想に。
「もしそうなら、娘さんをわざわざ訪ねにきません。」
彼女の両腕を掴みながら全身全霊でお伝えしました。
先日、相当、久しぶりにダイビングショップを訪れました。
理由は最近の海洋環境事情について知りたくて。
オーナーが亡くなって10年。
オーナーのあとを娘さんが継いでいました。
2時間近くお話を終えたあとの一言でした。
オーナー様への愛を熱烈に語るから、そう思われたのかも。
でも断言します。
まったくそんな関係ではありません。
神に誓って。(笑)
私は縦社会で生きてきた人間なので、オーナーの仕事に対する姿勢はとても魅力的に感じました。
オーナーの、どんなことを言われようと、何があっても『自分の信念を貫き通す』姿勢。
縦社会では通用しない思想。
信念に外れようものならお客さんでも平然と叱るし喧嘩もするオーナー。
私も怒鳴られている姿、何度か見たことがあります。
何故そんなに厳しいのか。
スキューバダイビングのショップを経営するということは、ある意味お客様の
『命』
をお預かりするということ。
だから真剣に向き合うし、その結果、出る言葉も強くなる。
わかるお客様はわかってくださるし、わからないお客様は去っていく。
それでも『熱烈なファン』は多数いらっしゃって、今もなお、お線香を持参で来られる方もいらっしゃるよう。
そんな私もこうやって足を運んでいるのだから、そのうちのひとりです。
私は『人生』、『仕事』に真剣に向き合っている方に惹かれます。
惹かれるとはあくまで『尊敬する』という意味。
私もよく叱られました。
でもそれは『命』を基準としてお仕事をされているからと思えば納得がいきます。
それはこうも写ります。
怖いものなしで前へ突き進む。
一見無謀で強引に見える。
その先にあるものはなにか。
『命を大切に生きる』
でした。
スキューバダイビングを一時期辛いと思ってもやめなかった理由が、そこにあったのかもしれません。
電話相談のお話しになりますが、お客様にふれあえる瞬間が私は好きです。
時に『命』と向き合うご相談も。
お客様が『背負ってきた人生』を教えていただき、『考える機会』を与えてくださる。
こちらが学ばせていただいているのに、あり余りすぎる『ありがとう』のお言葉を頂いてしまって。
こちらこそ、『ありがとう』なのに。
そのお客様の『ありがとう』に恥じないように、私ももっと精進することが必要という課題もいただきました。
お客様が何を求めて電話相談に来られるのか。
『電話相談』と『スキューバダイビング』。
ともに『命』と向き合う仕事。
このような素晴らしい仕事に出会えて私は幸せです。
ひかる