次に花を買う日

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コラム
数日前の朝、聞こえてくる鳥の声が変わったことに気付いた。
今までに聞こえなかった鳴き声が混ざっていて、季節はどんどんかわっていくようだと思った。

その日、花屋さんで白いシンビジウムを1本、買った。
すぐにしおれてしまうかもと思ったけれど、買ってきた時よりも花がだんだんと開いてきて、ちょっとうれしい。いや、かなりうれしい。

花屋さんにある花はどれもきれいだけど、すぐにしおれたらいやだなぁと思うと、なかなか買えない。
買ってきた花を花瓶にさしても、きれいに飾れないし、忙しい時は花瓶の水をかえるのも億劫になったりする。

以前、プランターで花を育ててみたことがあったけれど、私の手はみどりの手にはほど遠く、全然うまくいかなかった。何年か前にシクラメンをもらった時も、花が咲き終わったらすぐに枯れてしまった。
切り花ならば、少しは大丈夫かなと思い、時々、花を買いたくなる。

テーブルの上のシンビジウムを見て、きれいに咲いていることにほっとして、しばらく眺める。
次に花を買いたくなった時もこのシンビジウムのように、すぐにしおれないような花が買えたらいいなと思う。
次に花を買う日が当たり前に来ると思っていることに少し、罪悪感を感じながら。
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