建築業って難しいよね

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  建築業は、音やホコリにゴミ、近隣やお施主様に気を使い、雨や風、天候に左右され、工事現場で働く職人さんの怪我や事故、職人さんの技量も工事が終わってみないと分からない。引き渡し後は、生涯にわたってそこで生活するご家族の健康や生命、家屋という財産を守らなければならない責任の重い仕事です。そこに、建築基準法令、建設業法、設計士法、労働者災害補償保険法等々、事故が起こると様々な法令責任が発生します。一番難しい仕事だと思います。今回は、建築基準法についてお話します。

建築経営の基本条件/建築基準法第1条『目的』

 建築業を経営するにあたって、法令の細かな事は、建築士にゆだねるとしても、経営者は、これだけは理解したうえで、経営に取り組んでほしいと思います。

建築基準法の冒頭にはこのようにあります

  第1条「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資する事を目的とする。」とあります。
 つまり、住宅に限って言えば、そこで生活するご家族の生命や健康を守り、地震や、火災から家屋という財産を守ってあげることのできる建築物を作りなさいという事だと思います。
 日本では、試験問題を回答することが目的となっていて、建築基準法の枝葉末節のことや天空率や構造計算ができる人でも、根幹となる生命、健康、財産の保護を図るという理念や心構えをしっかりと教えていません。
 建築基準法の「第一条の目的」を建築士の資格を持っている社員に聞いてみてください。私の経験では、その目的の趣旨をしっかりと答えられる建築士は十人の内一人いるかいないでした。

 大手建設業界でも、構造計算偽装や地盤補強手抜き工事、賃貸住宅防火界壁法令違反事件等、数多くの事件がありました。さすがに最近では、手抜きや欠陥住宅を意図的にする会社や人はいなくなりましたが、経験不足や知らなくてそうなってしまうケースや知らないうちに欠陥部材を使ってしまっているケースがあります。それらを防ぐためには、しっかりとした経営方針と検査体制で補うしかありません。
 肝心なことは、そこで生活する人々の生命、健康、財産の保護を図ることのできる建築物を提供する。その上で、次の世代に相応しい間取り、デザイン、周辺環境と調和する住宅を提供していくことが大切です。住宅会社を経営するものとして、このことはしっかりと理解していただくことが大切です。
こんな経営ポリシーは如何でしょうか
• 手抜き、欠陥住宅を造らない。
• 健康を害する住宅を造らない。
• 寿命の短い住宅を造らない。
• エネルギー浪費型住宅を造らない。
• 地域の気候、風土を考慮しない住宅は造らない。
• 住む人を考慮できない住宅は造らない。
• 将来の家族構成、住宅設備、ライフスタイルの変化に対応のできない住宅は造らない。
• 将来を予測した維持管理のできない住宅は造らない。
• 時代の変化に対応のできないデザインの住宅は造らない。
• 流通価値のない住宅は造らない。
ご参考まで。

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