小説の技法 Lesson12 大騒ぎの第一課題の解説④

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コラム
(他小説サイトの転載であることを御承知下さい)
 第一課題のことや私の投稿常識(文芸賞用)の説明のせいで、何やら、内輪もめをしておりました(過去の掲載時)ので、とにかく揉め事の発端である「怪談」という課題の解説からご理解願います。ご理解していらっしゃる方は本当に申し訳ございません。

 エンタメのプロ作家の基本資質の一つが、原稿用紙400枚、首尾一貫したストーリーで書けることと言われています。最低基準一段階目です。起承転結に則り、伏線をすべて処理しきった形で、同一視点の矛盾しない一話の話を書けるかということだと思います。途中で、手紙とか挟まって、Kになっちゃったりしているのはどうするのですか? はい、まず、あれは、素質測定の物ではなく、「表現作品」なのです。私たちが取り組まなければならない基本ドリルではありません。夏目先生、新聞記者出身です。できないわけがないでしょう!私たちは、「怪談」1000字で揉めているレベルなのだということをわかりましょう。漢字ドリル、算数の計算ドリルの世界です。でも、ドリル、役に立つんです。やってみて下さい。

 物凄く難しいです。1000字。女主人公の一人称。話の筋も説明した通り決まっています。でも、正確に問題を理解して提出して来られた方、カクヨムでは1名なんです。それで、取り敢えず、怪談1000字が起承転結で書けていて、基本のテクニックに問題がなければ、◎付けに行きました、ライターの方やジャーナリストの方にお教えした時、ここを間違えた方、過去には一人もおりませんでした。さすがに、金もらって書いていた人たちだと思います。

 ストーリーは、女がアパートに引っ越してくる、女の周りで嫌なことが次々起こる。そして、凄く怖いことが起こり、結果、アパートの押し入れから死体が出てきたことがあったと大家に種明かしされるという話です。1000字だと無駄な描写一行も入れる隙がないです。

 解説で出ていますね。起承転結。1:2:3or4:0.5で書きましょう、と。それ、琴音さんの意見じゃないですか!って、思ったあなた、ここ、私が私の書き方をメソッドとして教えますという連載です。私の言うことが嫌なら、東野圭吾さんにでも村上龍さんにでも弟子入りして下さい。で、まずは、琴音さんのやり方をマスターしてみると思われた方、私の言うとおりにチャレンジしてみて下さい。先に挙げたライターの人たちだって、夜通し、何回も、何回も、何回も、何回も、怒り爆発させながら書き直していました。途中、必ず、どこが違うってよー!てめえ!みたいになります。でも、最後には、感謝してくれます。

 目的は、エンターテイメントにおける起承転結の体感覚としての理解と、エピソードにおける描写の程度、主人公の視線の固定、自然な感情とぶれない行動、クライマックスまで畳んでいく力の習得。ここ、特筆ですが、筋はオリジナルじゃなくていいです。女が幽霊を見たという定番の話です。実は女が幽霊になっている方ばかりです。まず、「定番」を書いてみて下さい。面白くない。やりたくない。と思った方は、物書いて食っていくのに向いていません。趣味です、プロ志望じゃない方には、全く強制しません。ただ、趣味でも上達はしたいよなぁー、という方、やってみて損はないです。劇的にうまくなります。続く~。

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