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コラム
父の叔母にあたる人が亡くなりました。

小さなころから親戚の集まりで話す、おしゃべりでニコニコとかわいい方でした。
「おばちゃん、おばちゃん!」
と気さくに呼び、とても大好きでした。

ちょっと前、施設に入ったという知らせを受け、
会いに行くと、もうあのころとは違い、でも、懐かしいあの声色で、おばちゃんは空を指さし、
「早くお迎えに来てもらいたいよ」
と泣いていました。
「そんなこと言わないで、元気でいてもらいたいよ」
なんて、私の勝手な気持ちを返すしかありませんでした。

声って不思議ですね。
年に一度も会わないのに、その頃に引き戻されるような感覚になります。
おばちゃんの悲しい言葉と裏腹に、その瞬間私はふわふわと子供時代に戻るのです。
初恋の人の声を今更聞いたって何も感じないだろうに。
きっと赤ちゃんの頃から、いいえ、母のおなかの中にいた頃から
聞いていたからなのかもしれませんね。

もうあの懐かしい声を聴くことはできません。
子供のころの思い出はおぼろげだけど、私のことを沢山呼んでくれて、
大好きだったという感覚だけは確かだよ。
ありがとうございました。

今日も空がきれいでした。
おばちゃんの魂はあの美しい空に溶けて、辛い気持ち、重い体から解放されたかな。
また会おうね。

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