やさしい : 無関心が人を傷つける 皆で助けよう

やさしい　:　無関心が人を傷つける　皆で助けよう

日本ではいじめが増加傾向にあります。

文部科学省の調査によると、小・中・高等学校および特別支援学校におけるいじめの認知件数は過去最多を記録しています。

いじめは子どもたちのメンタルヘルスや学習意欲に悪影響を与えるだけでなく、深刻な事態に発展することもあります。

一方、海外では、教育において科学的根拠に基づく「エビデンス」を採用することが一般的になっています。そして、予防策として成功しているのが、「傍観者教育」です。これは、いじめに巻き込まれていない周囲の人々が、いじめに対して積極的に立ち上がることで、いじめを防ぐことができるという考え方です。

傍観者教育は、いじめの加害者や被害者を特定することには直接的な効果はありませんが、周囲の人々がいじめを見過ごさず、積極的に立ち上がることで、いじめを予防することができます。傍観者教育には、いじめに対する正しい認識や、いじめに遭っている人を助ける方法などが含まれています。

傍観者教育は、欧米諸国で実施されている予防策のうち、成功しているものの8割以上がこの方法であるとされています。また、日本でも、一部の学校で傍観者教育が実施されているところもありますが、全国的に広く普及しているわけではありません。

傍観者教育の効果を高めるためには、学校や保護者、地域社会が協力して、取り組んでいくことが必要です。また、予防だけでなく、いじめが発生した場合には、早期に適切な対応を行うことが重要です。加害者や被害者だけでなく、周囲の人々も含めて、いじめに対して積極的に取り組むことが、いじめの撲滅につながると考えられます。

和久田学氏によれば、海外と日本で「いじめ」が減らない理由の一つに、エビデンスに基づいた対応を行っているかどうかの違いがあると指摘しています。エビデンスとは、科学的根拠があり、再現性が担保できる方法論のことで、海外では教育にもエビデンスを取り入れることが一般的です。一方で、日本では教員の経験則や勘に頼る傾向があるため、科学的に裏付けされた成功確率の高い手法を取り入れることが必要です。

また、海外ではいじめの研究が進んでおり、「いじめ」の問題が深刻な社会問題となっているため、予防策の研究に力を入れているとのことです。そして、世界のいじめの研究で主流となっている領域は「インターネット」「ＳＮＳ」「LGBTQ」「職場」で、実は「学校」に関しては対策がある程度明らかになっています。実際、和久田氏の所属する子どもの発達科学研究所の調査でも、いじめの件数が確実に減っている国は多いとされています。

そして、和久田氏によると、欧米で成功しているいじめ予防プログラムの8割は「傍観者教育」だといいます。

傍観者教育

傍観者教育とは、いじめを目撃している生徒たちに対して、いじめに対処する方法や、いじめの加害者や被害者を支援する方法を教えることで、いじめを未然に防ぐことを目的としたプログラムです。このような科学的根拠に基づいた対策を日本でも取り入れ、いじめを減らす努力が求められています。

いじめは、被害者だけでなく加害者や傍観者にも深刻な影響を与える問題です。

加害者側は、いじめ行為によって自分自身の自尊心を高めようとする傾向があり、その後自己中心的な問題行動を起こしやすくなるという研究結果があります。

また、傍観者側には、自分自身がいじめの対象になることを恐れ、いじめに加担することがあります。

さらに、いじめを目撃した傍観者は、その後の人間関係に対して悲観的な見方を持つことが多くなり、社会不適応に陥ることもあるとされています。

このような状況を改善するためには、被害者だけでなく加害者や傍観者にも焦点を当てた取り組みが必要です。傍観者教育と呼ばれるプログラムは、いじめに遭っている人を見過ごさず、止めるための方法を教えることによって、傍観者が加害者や被害者にならずに済むようにするものです。カナダなどで実践されているプログラムは、有効性が高いとされています。また、加害者に対しても、いじめの被害者に対する共感や思いやりを促す教育プログラムが有効であるとされています。

早期発見と早期介入がいじめの予防

教師や保護者が子どもたちと信頼関係を築き、日常的にコミュニケーションをとることが、「いじめ」を未然に防止する上で必要不可欠です。さらに、子どもたちには、「いじめ」がなぜ問題とされるのか、どのような行動がいじめにあたるのか、そしてどうすれば「いじめ」を止めることができるのかについて正しい知識を身につけさせることも重要です。これによって、子どもたちが自分自身や他人を大切にする思いやりのある社会人として育つことが期待できます。

「いじめ」は、学校や職場などの社会的な場で起こる問題であり、被害者にとっては大きな苦痛やストレスを引き起こすだけでなく、加害者や傍観者にも深刻な影響を与えます。

「子どもやその親に問題があるとされがちですが、問題は個人因子ではなく、学校の環境因子、つまり学校風土にある」ということを強調し、文部科学省委託事業『子どもみんなプロジェクト』を通じて、約1万人の児童生徒の協力を得て、学校風土やいじめを可視化するための『学校風土尺度』と『いじめ尺度』を開発したと報じられています。

これにより、学校の環境を客観的に評価し、問題点を把握することができます。また、学校風土を改善することで、「いじめ」や「不登校」などの問題を未然に防ぐことが期待されています。

学校風土については、海外でも100年以上前から研究され、環境がよくなれば問題改善や学力向上につながるというエビデンスが出ているとされています。このため、学校風土尺度の開発は、エビデンスに基づく手法を採用することで、より効果的な改善策を見出すことが期待されています。

「TRIPLE-CHANGE」は、いじめを予防するための教育プログラムで、児童生徒に対して「考え方・行動・集団」の3つを変えることを目的としています。具体的には、以下の内容が含まれます。

考え方の変革：自分自身や他者に対する考え方の変革を促します。これには、他者を尊重する思考や共感力の養成、自己肯定感の向上などが含まれます。

行動の変革：自分自身や他者に対する行動の変革を目指します。これには、優しさや思いやりの行動を身につけることや、いじめ行為の代わりにコミュニケーションや解決方法の模索を促すことが含まれます。

集団の変革：クラスや学校全体の風土や関係性の変革を目指します。これには、協力や助け合いの精神を醸成するための活動や、いじめの受け手をサポートするシステムの構築などが含まれます。

このプログラムでは、教師が自ら授業を行うことが求められます。研修を受けた教師が授業を行うことで、児童生徒との信頼関係を深め、いじめの早期発見や介入が可能になると考えられます。

大阪府吹田市では、2020年度から全小中学校にこのプログラムが導入され、他の自治体でも導入が進んでいます。

また、学校風土いじめ調査は、学校内で発生しているいじめの実態を正確に把握するための調査です。この調査は、学校内の児童生徒や教員に対して無記名でアンケートを実施することが一般的です。質問はいじめに関するものや学校風土に関するものが含まれます。

調査結果を分析することで、学校全体のいじめの状況やその背景、対策の有効性などを明らかにすることができます。そして、学校関係者は調査結果を参考に具体的な対策を講じることができます。

吹田市では、いじめや不登校の早期発見と適切な支援に向けた取り組みとして、小学校3校と中学校2校で1人1台のGIGA端末を使った毎朝の健康観察を始めました。この取り組みは、文部科学省と共同で進められています。

この健康観察には、ウェブアプリ「こころとからだの連絡帳デイケン（デイリー健康観察）」が活用されています。子どもたちは、体調や気分の項目に対する回答データと相談希望の回答を入力し、そのデータを解析していじめや不登校などの問題を早期に発見することができます。

このウェブアプリは、吹田市の研究所が開発したもので、体調と生活リズムの項目の両方で不調を示す子の抑うつ・不安が高いことなどが見えてきました。また、デイケンの導入校ではいじめ被害が減り、学校風土が向上し、新規不登校発生率も低下しています。

具体的には、デイケンを導入した小学校の一校では、いじめの相談件数が前年度比で半減し、不登校や早退についても減少しています。また、学校内の雰囲気が明るくなり、生徒たちの意識も向上しているとの声が寄せられています。

このように、吹田市ではデイケンを活用した健康観察によって、いじめや不登校の早期発見と適切な支援が進んでいることが報告されています。今後も、この取り組みが拡大し、より多くの子どもたちが健やかに過ごせるようになることを期待しています。

エビデンスに基づく手法とは、科学的な証拠に基づいたアプローチのことを指します。つまり、過去の研究やデータから得られた知見をもとに、効果が実証された手法を実践することで、より良い結果を生み出すことができるとされています。

この取り組みにおいても、科学的根拠に基づいた手法が採用されています。具体的には、GIGA端末を使った毎朝の健康観察という方法が、不登校やいじめの早期発見につながることが実証されているため、導入されたということです。

また、和久田氏が述べているように、エビデンスに基づく手法は効果が出るまでに時間がかかるとされています。しかし、時間をかけて適切な手法を実践することで、学校の環境や生徒たちの心理状況に良い影響を与えることができます。

今後も、このような科学的根拠に基づいた手法を研究開発し、教育現場にとって有用な手法を提供していくことが求められるでしょう。

吹田市では、いじめや不登校の早期発見と適切な支援に向けた取り組みを行っています。この取り組みは、小学校3校と中学校2校で1人1台のGIGA端末を使った毎朝の健康観察を始め、ウェブアプリ「こころとからだの連絡帳デイケン（デイリー健康観察）」を活用しています。このウェブアプリによって、子どもたちの体調や気分を記録し、そのデータを解析することで、いじめや不登校などの問題を早期に発見することができます。 このウェブアプリは、吹田市の研究所が開発したもので、体調と生活リズムの項目の両方で不調を示す子の抑うつ・不安が高いことなどが見えてきました。また、デイケンの導入校ではいじめ被害が減り、学校風土が向上し、新規不登校発生率も低下しています。

エビデンスに基づく手法とは、科学的な証拠に基づいたアプローチのことを指します。つまり、過去の研究やデータから得られた知見をもとに、効果が実証された手法を実践することで、より良い結果を生み出すことができるとされています。

この取り組みにおいても、科学的根拠に基づいた手法が採用されています。具体的には、GIGA端末を使った毎朝の健康観察という方法が、不登校やいじめの早期発見につながることが実証されているため、導入されたということです。

また、エビデンスに基づく手法は効果が出るまでに時間がかかるとされています。しかし、時間をかけて適切な手法を実践することで、学校の環境や生徒たちの心理状況に良い影響を与えることができます。

今後も、このような科学的根拠に基づいた手法を研究開発し、教育現場にとって有用な手法を提供していくことが求められるでしょう。

人間のほほえみ、人間のふれあいを忘れた人がいます。

これはとても大きな貧困です。

平和は微笑みから始まります。　

マザー・テレサ

日頃から人間関係に関心を持ち、学校、会社、社会の中で、自分と人にやさしい生活に興味を持ち、もっと関心を持って欲しいものです。

正しい情報を得るのに様々なツールを使い自分で調べることが重要です。

まずは家族で共有している話し合いをしてみませんか？

そして、ご両親やお子様、色々な方々と話し合い、どうすれば、より良い地球になるのかを考えてみましょう。

ご質問などございましたら、コメントをご利用ください。