火種はあるか

記事
学び
            北村敦

「遠い祖先が氷河の時代にも生き得たのは、 

 洞窟の奥深くで幾粒かの火種を守り通すことが  

 できたからであろう、

 という推論にきみは心を惹かれないか。


 精神の荒野だらけである、

 というきみの嘆きは、

 実は君がきみの火種を持って  

 いないことではないのか。 


  火種は、あるか。

 ないなら、探したか。

 探さなかったら、つくったのか。 


  人間の火種は、いうまでもなく、

 欲する者が自分でつくるものであって、

 そうする以外に手に入れようがない。 


  きみは、火種の微小をあざわらうか。 

 一粒の火種も火焔となって荒野を燃やし、 

 荒野を焼畑にかえることができるのだ」 


私は、上記のむのたけじさんの詩集
「たいまつ」に、三十歳の時に
出会いました。 

 この詩集は、
当時の私の胸を熱くする生きた言葉に
満ち溢れていました。

そして、私は、気に入った詩に
線を引いたり、
書き写したりして、
毎日それを見ながら
胸に刻み付けていたのです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す