コンサルティングファームにおけるコンサルタントの実態

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IT・テクノロジー
 私は、アビームコンサルティングという大手コンサルティングファームに10年強在職しました。新卒~マネージャーまで経験しました。
 この業界は、能力次第でたった数年で管理職になることができ、報酬も他の業種に比べ倍以上の速さで増えていきます。
 その過程では優秀な社員の中で競争を生き抜き、クライアントにからのハイプレッシャーに耐える精神力が必要不可欠となります。
 「コンサルティングファームとは」「業務・収入・キャリアアップの速度(私の実例)」「役職別の業務内容」「就職するメリット・デメリット」「コンサルティングファームの強み・弱み」「今のうちに準備しておいた方がいいスキル」「最後に一番大事なアドバイス」などを、私がキャリアを積んできた実話談を元にお送りします!

【企業規模】
入社当時200名(現在5000名に拡大
【企業形態】
会計事務所系コンサルティングファーム→大手コンサルティングファーム
【業務、収入】
①担当業務:金融系基幹システム プログラマー、役職:アナリスト、年収300~400万、在職年数(3年)、平均残業時間(50h/月)
②担当業務:流通系会計システム SE、役職:シニアアナリスト、500万~600万、在職年数(3年)、平均残業時間(75h/月)
③担当業務:金融系会計システム プロジェクトマネージャー、役職:マネージャー、800万~1000万(インセンティブにより変動)、年数(5年)、平均残業時間(100h/月)
【業務内容について】
 コンサルティングファームとはいうものの、新人はプログラミングからスタートし、SE~PMと段階を経て他Sierと同様のキャリアを経験します。
 まずは自分でIT技術を身に付けないとお客様や外注先とお話出来るレベルにならないからです。
 業務の内容は金融取引の複雑な業務を担当しました。
 業務に関しては、最初はお客様(クライアント)に勝てないので必死にITの浅い知識をベースにお客様にかろうじてサービスを提供できます。
 段々キャリアを積んでいくと業務にも精通するようになり、マネージャーになってからはお客様にご意見提案できるようになりました。
 業務の内容は過酷でIT版セコムのようなものでした。
 ポケベルを持たされ深夜システムがダウンすると深夜オフィスに行き朝までに対応するという仕事でした。
 当時は体に高負荷のかかる仕事だから高収入を得られたのだと思います。
【経験できたこと、身についたスキル】
周りが優秀なので競争意識が芽生え自主的に勉強しました。
海外の研修に3カ月ほど参加させていただき英語力や最新の技術力を身に付けることができました。
マネージメント力コンサルティング力に関しては、業種問わず業務経験を積むことにより備わりました。
納期を厳守するくせが身に付きました。

【新卒でのコンサルファーム就職について】
<メリット>
・教育に対する意識が高いため、人材にかなりの投資を行います。短期間である一定レベルのITリテラシーや論理的思考能力等のビジネスリテラシーを身に付けることが出来ます。
<デメリット>
 デメリットは特に思い浮かびませんが、現在人気就職先なので採用される可能性が低いです。
 採用されるのであれば、是非コンサルティングファームから始めることはおススメします。
 新卒で採用されなかった場合はSier等でキャリアを積み、技術力・開発力を身に付けた上でキャリア採用を狙うのがおススメです。
 敢えてデメリットをいうと、開発のみに興味がありお客様に言われた通りに作ることに集中したい方は、別な能力(コンサルティング能力、業務知識、マネジメント能力等)も要求されるので、それ専門の会社を選んだ方がいいかもしれません。

【新卒でSIerへ就職された方との「違い」】
<強み>
・言われた通りではなく意見提案型の仕事をするように実践で訓練されること
・教育にお金をかけてくれること
能力があれば早く責任ある立場になれ、若くして給与も大幅にアップできること
<弱み>
・総合コンサルティングファームなので、いろいろな分野を手掛けており必ずしも自分のやりたい分野に配属されるわけでないこと
優秀な人が多くそこを勝ち抜くため相当なプレッシャーで競い合っていかなければならないこと

【これから目指す方向けにアドバイス】
 就職でき競争する覚悟があるのではあれば、コンサルがキャリアアップの早道だと思います。
 コンサルティングファームは、いかに優秀な人材に早道でスキルや経験を積ませ高単価でクライアントに売るかを考えています。それを利用して、自分の市場価値を高め自分の目指す目標に向かっていけばいいと思います。
 若いうちは、まず技術から固めるのがよいかと思います。吸収力のあるうちでないと技術は習得できません。主にプログラミングの技術とインフラ・セキュリティ技術の2点は重要です。文系の方は、理系の方に当初は先を行かれ焦ると思いますが5年辛抱して下さい。のちにコンサルティング能力やマネージメント能力によって重要なポストについた時に抜かすことができると思います。

【最後に一番大事なこと】
 長年ITコンサルタントとしてやってきて、今ファイナンシャルプランナーとして修業中です。
 ITと金融という業界こそ違いがあれ、ついクライアントの要望より高い満足度を得ることを考えてしまいます。
 クライアントの相談がありその回答をする、本来であれば契約としてはこれでクローズするはずですが、どうも物足りないんです。
 そもそも、クライアントの8割位の人は自分の根っこにある課題を可視化できていないのです。よせばいいのに、時間をかけて彼らの課題を具体化し一つ一つ紐解いていき、本来彼らが抱えている問題の本質にたどり着く。
 そこを問題解決するまで、クライアントに100%満足度していただけないと思っちゃうんです。
 よくそこまでやるなあ、と言ってもらうのですが何の下心もなく単なる今までの長年の習性で相手の期待値の上にいくことに快感を覚えるようになってしまったんです。

体調が黄色信号出したら自分でブレーキを踏むこと。
その制御が出来るようになることがこの仕事を継続する上で一番大事です。

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