【ご依頼人様必読】「なるべく安くお願いします」という無理難題

告知
ビジネス・マーケティング
 見積もり相談で、ときたま、「なるべく安くお願いします」とおっしゃる方がおられます。
 こう言われる度に私は「言うは易く行うは難し」という言葉をご存じなのかなあと困惑します。

 私のサービス料金は時間報酬制ですので、安くする方法は、
①時間単価を下げる、
②作業レベルをそのままに作業時間を短くする、
③作業レベルを下げて作業時間を短くする、
の3パターンです。「なるべく安くお願いします」とおっしゃる方は一体どれをお望みなのでしょうか?おそらく①か②をお望みなのでしょうが、

 ①<時間単価を下げる>については、時間報酬制を導入した目的に反しますので絶対にお断りです。時間報酬制や値引きお断りについては、サービスページ、プロフィールページ、ブログで繰り返しご案内しております。ですから、ご購入代金を安くするということは、作業時間が短くなるということです。

 ②<作業レベルをそのままに作業時間を短くする>については、通常が全力なのですから作業時間を短くして全力でやったら時間が足りなくなって途中納品となる可能性が高いです。もちろん、添削サービスで例えれば、ほとんど手直しの必要がないケースももしかしたらあるのかもしれませんが、そのようなケースは今までありませんでしたし、平均的には数行に1度は修正コメントをするべき箇所が出現しますから、すべてに丁寧に修正コメントを書いていたら時間がかかることはわかりますよね。

 ③<作業レベルを下げて作業時間を短くする>については、多少作業レベルを下げた程度であれば相談者の方にはわからないかもしれませんが、問題の多い依頼内容であればあるほど粗が出てきますので(※)、期待していたよりレベルが低かったというリスクが依頼人にはありますし、そのような難癖を付けられるリスクが私にあります。それ以上に、いただいた金額相当の作業時間で終わるように全体の作業量・作業時間に気を遣いながら作業をするというのは非常に難しいという大問題があります。気を遣いながら作業するということは、その分、余計な時間と気を遣うわけですから、余計に作業レベルは落ちますし、抜け漏れも出やすくなります。まさか、さほど考えなくても丁度よく最後までバランス良く作業ができるなんていう都合のよい超人を求めていませんよね?そして、作業レベルを下げたとしても、問題の多い依頼ということもありえますので、必ずお支払金額相当時間内に作業が完了するとは限りません。
(※ 例えば、添削サービスで矛盾点があったとして、全力で作業する場合は、どの表現とどの表現がどう矛盾していてどう直せばいいかを詳細に解説しますが、作業レベルを落とした場合は、「この前後が矛盾しています」というコメントだけとなります。「これではどう矛盾しているかわからない」とご質問をいただいても、お支払金額相当時間が経過しているので、追加料金をいただくことになります。)
 なお、所要時間を想定することが困難であることは下記のブログで説明しております。

 一応、具体例を挙げて説明しておきますと、目安額で算定すると6000円になる依頼で、実際に作業した結果1時間で終わった依頼があったとします。結果的には1時間ですので料金は目安額通り6000円で追加料金なしということになりますが、そのような依頼について着手前つまり作業時間がどれだけになるかわからない段階で、3000円でやってほしいというご要望があったとします(※)。ご要望に応えるとすると、
①1時間の作業代を3000円にする(10分1000円のところを10分500円にする)
⇒これは断固お断りです。
 ですので、残りは②③ということになりますが、予算3000円なら30分しか作業しないということになり、全力(全速力)でやって1時間かかる仕事(作業レベル)を30分で終わらせて提供することは不可能なので、
②全力で30分で作業する場合、途中納品ということになります。
③30分で一応最後まで一通りやってほしい場合、質(添削であれば解説の詳細さや量)を半分程度に下げたものを納品するということになります。
(※ 世の中には洞察や想像、時系列的思考があまりお得意でなくて表面上の数字や概念だけでの思考に特化した方が結構いらっしゃるようですので、的外れな議論に発展することを避けるために念のために申し上げますと、着手前に作業時間がどれだけかかるかはわかりません。目安額はあくまで作業量が少ない依頼を想定したものですので、作業量が多い依頼つまり難易度の高い依頼では目安額を超過します。この例では、私が提供できる最高の作業レベルでやったら1時間で作業が終わった、という説明用の仮定的結果をあくまで説明のために先に示しただけです。実際には、どのくらい作業時間がかかるかは結果論です。最初から1時間で作業が終わると想定することはできません。ここで1時間という時間を先に出したのは、依頼内容の難易度自体は問い合わせ時点で客観的には定まっているからです。作業者である私の主観で作業時間が1時間かかったとわかるのは作業完了時点です。)

 途中納品でもやむなしとか、作業レベルを下げてもよいということで納得いただけるのであれば、ご依頼をお受けすることもやぶさかではありませんが、①や②、特に②(作業レベルをそのままに作業時間を短くして作業を完了させてほしい)のようなことを考えておられる方というのは、頭でっかちというか、言葉だけで生きているというか、現実的な想像力が欠けているというような問題のある方のようです。
 そのような方というのは、小学校の算数で習う、速度と距離と時間の計算ができないか、最高速度というものの存在を知らない方なのでしょうか。
 速度が時速100キロ、移動時間が1時間であれば、1時間で100キロ移動できる(というか100キロしか移動できない)というのは、小学生でも理解・計算できることですし、100キロ出せるのは走りやすい高速道路の話であって、悪路では徐行しなければなりませんから、道が悪いほど作業スピードは落ちます。
 上記②を強いる方というのは、私の感覚では、悪路だろうが獣道だろうが時速100キロではなく時速1000キロ出せば6分で着くよね!つまり制限速度どころか車が出せる最高速度をオーバーして悪路もものともせずにかっ飛ばしてくれと言っているか、速度が時速100キロ、移動時間が1時間であっても1時間で200キロ移動してくれと言っているか、という感じがします。
 前者については、普段はのんびりやっている(=全力でやっていない)のだから急げば早く済むでしょうという勝手な思い込みが前提にあるか、困っている人に頼まれれば全力以上の力を出せるはずという少年漫画的思考の持ち主なのでしょう。後者については、計算能力が基本的に欠けていると言わざるをえませんし、「ところどころワープしたら文句付けてくるんでしょう?」とゲッソリします。
 私は運転系のサービスは提供しておりませんが、もし提供していたら、このような見積もり相談がしょっちゅう来てブロック祭りになるのでしょうね。それほどこのご要望は多いです。

何のリスクもなしに安値で完璧な作業を遂行してもらえると考えるのは大間違いですので、なるべく安くしてほしい場合は、②(途中納品でいい)か③(作業レベルが私に普通に依頼したときよりも低くてもいい)かいずれかになることをご理解の上、お申し出ください。
 なお、②であっても早く済む可能性はありますし、③であっても全力を出せる可能性はありますが、いずれも依頼内容に問題が少ない場合に限られます。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す