「公平性」を謳って超廉価を通そうとする悪徳依頼人

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 ときたま、かなりの格安報酬で、公開依頼を出したり、個別に依頼してくる人がいます。
 こういう人に「そのような廉価ではお受けできませんので、報酬を上げてください」と申し向けると、決まって「皆さんこの値段でやっていただいているので、他の受託者の方との公平性がありますので」などと報酬値上げを断ってきます。
 もしかしたら多くの人はこんな理由付けで納得するのかもしれませんが、この理由付けはおかしいです。
 なぜなら、他の受託者との公平性ということの趣旨は、多くの人が思いつくのは、ある受託者の報酬が高額になると他の受託者が不公平に感じるからということでしょうが、よく考えれば、私と依頼人A氏との間の報酬、あるいは第三者B~D氏と依頼人A氏との間の報酬金額だけでなく、そもそも他の受託者が誰なのかなどについては、依頼人A氏が話さなければ受託者は知りようがなく、受託者において不公平感は生じないからです。
 例えば、A氏がだいたい同じような依頼をするとして、他の受託者B~D氏に対する報酬が1000円だったのに対し、私に対する報酬が1万円となったとしても、依頼人A氏がペラペラしゃべらない限り、他の受託者B~D氏は知りようがない。とすると、不公平感など生じようがないですよね。知らぬが仏というわけです。
 とすると、他の受託者が不公平を感じるからなどというのは廉価報酬を押し通す理由にはならないわけです。
 それに、約款で契約するわけではなく、個別に契約するわけですから、他の人と同じ契約条件でやらなければならないものでもありません。特にクラウドソーシングの場合は契約目的の個性が強いわけですから、都度、契約条件を交渉して定めるのが通常です。そうすると、他の受託者との契約条件と同じくしなければならないなどということはありませんから、そのような理由付けもできません。
 ではどういうことかといえば、値上げ交渉をする受託者にそのような勘違いをさせて廉価でやってもらいたいという狙いが本質ですよね。あくまで依頼人A氏が金を出したくない、出さずに済ますための方便です。聞こえの良いことを言っているだけ、ということですね。
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