「凶が出たらラッキー!」と思える話

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母と、お正月は毎年初もうでに行きます。
必ずおみくじを引くのですが、母は引く前にいつも
「凶でるかな~?」
と言いながら手を突っ込みます。
母いわく、「凶は少ないから、出たらラッキーなんだよ~!」とのこと。

思えば、母は昔から凶を“ラッキー”と信じる精神でした。

朝の星座占いが12位のときは「今日は運がいいね~!」と喜びます。
外出時に雨が降ったときは「中で遊べるね~」と喜びます。

不運を幸運に変える人です。

ある時、私の父が亡くなりました。
死因は、がんです。
母は病室で父の最期を見届けて、涙ぐみながらも、にこやかでした。
私もその場にいました。
人が亡くなる瞬間を、初めて体感した日です。

でも不思議と、悲しい感じがしませんでした。
いつも通り、母が笑っていたからです。
中学生の私にとって、この体験は印象的でした。

死は身近なものだと知ると同時に、悲しいものではないことを覚えました。

そんな母のもとで育ってきたからか、私は「発想の転換」が得意になりました。
ミスをしたなら、「話のネタになりそう!」とメモをするようになり。
元気がないなら、「落ち着ける期間だね!」と肯定できるようになりました。

音楽も、食べ物も、お笑いも。
みんなが選ぶもの、人気なものではなく
みんなが選ばないほう、人気がないほうを好きになるようになりました。

私は、いまだに「凶」が縁起の悪いものなのか、あまり理解ができていないんです…。
「吉」と「凶」それぞれにいいところがあると思うんです!

来年の初もうでこそ、凶を当てに行きますよ~!✨
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