1on1で陥りがちな失敗パターン3つとその克服方法

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私は12年以上、定期的にさまざまなメンバーと1on1をしてきました。とてもうまく行った1on1もあれば、全く盛り上がらずダメダメな1on1もありました。今でこそ認定プロフェッショナルコーチの資格を得て、半年後にはPCCを取得するというところまでコーチングレベルを上げてこれたため、1on1がうまくいかなかったというケースはほとんどなくなりましたが、最初の頃は失敗することも多かったのです。

どういう時に失敗しやすいのか、1on1のアンチパターンとでも言うべきあるあるな3パターンを少し考えてみたので紹介します。

1. 今日のテーマなし1on1

失敗パターン:

多くの1on1が失敗する一番の理由は、目的が不明確なことです。何を話すべきか、何を達成したいのかが決まっていないため、時間が無駄に過ぎてしまうパターンです。1on1は上司と部下が雑談をする時間ではありません。目的をしっかりと持って行っていく必要があります。

解決策:

「今日は何について話す?」など、1on1の冒頭か、事前に明確な目的を設定し、それをもとに1on1をスタートします。「あの件だけどどうなった?」といった形で上司側から聞くのではなく、あくまでも主体は部下であるという認識を持つ必要があります。「何について話したい?」と聞くことで、部下側に自分のための時間なのだ、自分でテーマを持ち込まないといけないんだという認識を根付かせるという意味でも有効なので、ぜひ使ってみてください。

その上で、今日のこの1on1の時間のゴールは何なのか?を部下に確認します。「今日のこの1on1ではどこまで行ければ良い?」とか「この1on1で何が手に入れば良いと思っている?」などと聞くと良いでしょう。

仕事の進め方についてちょっと悩んでいるから相談に乗って欲しいと思っているのか、何かについて決めたいと思っているので、この時間で決め切りたいと思っているのか、まだ頭の中がゴチャゴチャしているので整理したいと思っているのか。30分なら30分の「この1on1の時間でどこまで行ければゴールなのか」を最初に明確にします。これが設定できると上司側もそのゴールに向けて話を聞いていけば良いと安心できます、部下側もゴールを意識しながら話していけるので1on1の満足度は双方で爆上がりします。

2. 上司ひとり語り1on1

失敗パターン:
上司側が一方的に話し続け、部下の意見や感情を引き出せず時間が過ぎて終わるパターンです。これでは、部下の真の懸念やニーズを理解することはできませんし、1on1は部下のための時間という前提が失われ、部下からするとすぐに飽きてしまって「ウザい」「面倒な」時間になってしまいます。

解決策:

1on1の時間で全て話を聞けとは言いません。全てがコーチングである必要はないのです。緊急性が高い相談内容については、すぐにティーチングしたほうが良いケースもあります。しかしながら、ひたすらにリーダーが話し続けるような1on1、しかもメンバーがその話に興味がない場合は最悪です。リーダーは積極的傾聴(アクティブリスニング)を実践し、メンバーが話しやすい環境を作る必要があります。そして上司は随所で質問を投げかけることで、部下に考えさせる契機を作るのです。1on1は上司の時間ではありません。部下のための時間なのです。

3. ゆがみ鏡1on1

失敗パターン:

部下が必死に話す内容を聞いて、それは違うと感じ、自分の意見を強く入れてフィードバックしてしまい、部下側が考える機会を失ってしまうパターンです。1on1における上司は「写し鏡」であるべきですが「ゆがみ鏡」と言っても良いでしょう。

解決策:

上司は部下の話を聞いて「写し鏡」であるべきです。「XXXだと思っているんですね」「それはつまりXXXということなんだね?」など、承認したり、要約したりすることで部下は上司を通じて自分がどう考えているのか、どう見えているのかを知ることになります。

上司は部下が発した言葉や感情を「写し鏡」のように反映させてフィードバックすることで、部下が自分の内面を客観的に見つめ直し、本質的な気づきに至ることを促すことができます。

最後に

1on1ミーティングは、適切に実施されることで上司・部下の関係性を非常によくしますし、組織の成長に大きく貢献できるツールであると言えます。しかし、成功には明確な目的設定や部下の話を聞く態度、写し鏡になることが不可欠です。1on1について悩みがあれば、コーチングも提供していますので、いつでもご相談ください。

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