お金に失敗しがちな人がハマる【認知バイアス７選】

はじめに

お金の使い方について考えるとき、「なぜこんなにお金が手元に残らないんだろう？」と思ったことはないでしょうか？

今月こそ貯金をしようと思っても、月末にはカツカツ。そうして気が付いたら1年があっという間に過ぎ去ってしまった、という経験は？

そして、その悪循環を断ち切りたいと、これまでに何度考えましたか？

多くの場合このような状況に何度も遭遇すると、自己評価が下がります。

なにより、世間的にも「お金にだらしない」という目で見られかねないというプレッシャーもあるでしょう。

しかし、これはあなたが悪いわけではありません。

なぜなら、お金に関する多くの決定には認知バイアスという脳のクセが関わっており、それは誰しも陥るものだからです。

つまり、あなただけではないということです。

どんなに賢い人でもバイアスはかかりますし、経済自体も人間の不合理によって動いています。

ここで朗報です。

認知バイアスは、その存在を知っておくだけでもハマりづらくなります。

研究では、バイアスに関する講座を受講するだけで、半年間はバイアスにハマりづらくなっていたという結果も出ているほどです。

認知バイアスを理解することは、お金の管理を改善するためにも非常に重要です。

というわけで今回は、お金に失敗する人が陥る認知バイアスを7つ紹介していきます。

さらに、あなたがお金をムダ遣いしなくなる魔法の質問を最後にプレゼントします。

この質問を自分に投げかけるだけで、お金の判断にほぼ失敗しなくなると思います。

それくらい強力なものです。楽しみにしていてください。

その前にまずは、認知バイアスについてもう少し掘り下げておきますね。

第1章：認知バイアスの概要

認知バイアスとは何か？

認知バイアスとは、人間が情報を処理する過程で無意識に行う思考の歪みのことです。行動経済学の分野で広く研究されており、私たちの判断や行動に大きな影響を与えます。これは、時間が限られている中で素早く決断を下すために、私たちの脳が使う「ショートカット」のようなものです。しかし、このショートカットが原因で、時には合理的でない選択をしてしまうこともあります。

お金の決断における認知バイアスの役割

私たちが経済的な判断を下すとき、完全な情報があるわけではなく、しばしば感情が判断に混ざってしまいます。たとえば、自分に都合の良い情報だけを選んで信じてしまう確証バイアスなどが挙げられます。

このような認知バイアスを知ることで、私たちは自分の行動を見直し、より良い経済的決断をする助けとすることができます。

第2章：お金の使い方に失敗する7つの認知バイアス

お金の管理に関してよくある失敗の一因となる認知バイアスを、7つの主要なタイプに分けて詳しく見ていきましょう。

1. 確証バイアス

確証バイアスとは、自分が信じたい情報だけを選んで受け入れ、それに反する情報を無視する傾向のことです。これに関しては聞いたことがあるという方もいるでしょう。

例えばAmazonなどで商品を買う前には、ほぼ必ずレビューを参照するかと思います。

しかしここで問題になってくるのは、「良いレビューばかり参考にしてないか？」ということです。

人はたいていの場合、買い物をするときには背中を押してほしい生き物なので、良いレビューだけを見て悪いレビューは無視する傾向にあります。

あるいは、ネットでその商品を使うメリットについて書かれた記事を探し求めた経験はありませんか？

買う理由をひたすら探し、その商品に関する確証を得て自分を納得させ、購入ボタンを押す。

そして荷物が自宅に届き、段ボールを開け、商品を開封してみたら値段ほどの価値がなかった、と後悔するケースは多いんですね。

とくに確証バイアスは、買い物をするときの判断に真っ先に関わってくるものなので、認識するクセはつけておきましょう。

2. メンタルアカウンティング

メンタルアカウンティングは、人がお金を使うときに心の中で行う「カテゴリ分け」のことです。

というのも、私たちはお金を「娯楽用」「日用品用」「貯金用」といったカテゴリーに分けて考えることが多いということです。

それぞれのカテゴリーごとにお金の使い方を決めて、無駄遣いを防いだり、計画的に使ったりするわけです。こうしてみると一見良さそうな戦略ですよね。

しかし、この方法にはダークサイドもあります。

例えば、誰かからプレゼントとしてもらったお金は、「普通に稼いだお金」と比べて、ついつい無駄遣いしやすくなったりします。

そのほかにも、映画のチケットを「もったいないから」というだけの理由で、面白くない映画を最後まで見てしまうことがあります。これは「サンクコストの誤り」と言って、一度使ったお金や時間にこだわって、無駄を重ねてしまうことを指します。

このように、メンタルアカウンティングは私たちのお金の使い方に大きな影響を与えています。

さて、次はお金の判断においてかなり重要で、認識すべきバイアスです。

これを知っているか知っていないかで、大きな違いが出てくるでしょう。