食中毒予防の3原則

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ご覧いただきありがとうございます。
本日は、食品衛生に関するお話をしたいと思います。
本日のテーマは、【食中毒予防の3原則】です。

暑い季節が巡ってきました。この時期、一番心配なのは、食中毒ですね。
どのように予防すれば良いのかを、食品衛生のプロが簡単にポイントを押さえてお話させて頂きます。

覚えて頂きたいのは、たった3つのキーワードだけです。
「付けない」
「増やさない」
「やっつける」
この3つだけです。

まずは、「付けない」から説明します。
手洗いや器具の洗浄・消毒という事です。
他にも、焼肉やしゃぶしゃぶの時、生肉用のお箸と食べるお箸を別々に用意しませんか?これも「付けない」の1つですね。
総菜工場で勤務される方は、手袋を着用して作業されています。

続いては、「増やさない」です。
適切な温度での保管や調理後は速やかに食べるという事です。
お買物やお弁当バッグでは、保冷バッグや保冷剤を使ったり、スーパーでは製氷機やドライアイスなども用意されていますね。帰宅したら、速やかに冷蔵庫へ移しましょう。
また、速やかに食べる事で、食中毒予防にも繋がります。万が一、食材の加熱不足や後から何等かの細菌汚染を受けていたとしても、菌数が少なければ食中毒を発症しない事も十分にあります。逆に、速やかに喫食できず、細菌が増殖しやすい温度帯で放置してしまったことで、食中毒菌が増殖してしまうリスクがあります。
細菌の増殖を考慮して、お持ち帰り弁当などには2時間以内にお召し上がりくださいと書かれていたりします。ですが、夏場は海鮮のお持ち帰りを断れる事はありませんか?その理由は、細菌の増殖速度にあります。一般的な大腸菌や枯草菌は分裂速度(数が2倍になること)が約20分に対して、魚介類の食中毒菌である腸炎ビブリオは約8分と言われており、増殖が速いことからお持ち帰りを断られる事が多いのです。
では、増やさないための工夫を、いくつか紹介したいと思います。まずは、保冷が頭に浮かぶのではないでしょうか。保冷箱で言えば発泡スチロールが以前はよく使われていました。科学的な仕組みとして、空気は熱を伝えにくい性質があり、発泡スチロール=「空気の層」で包まれ、内側の温度が保たれるという事です。スキー場など寒い地域で宿泊した際、窓ガラスが2重になっている事を見た事ありませんか。部屋がとても暖かく、快適に過ごせたはずです。これも、空気を使った断熱です。あとは、ダンボールですね。よく見ると、断面が波打っていませんか。こちらも「空気の層」が作られ、紙なのに想像以上の保温効果があります。保冷バッグが足りない時は、ダンボールで代用してみてください。
他には、抗菌仕様のものを選ぶ。抗菌作用のわさびが練りこまれた抗菌シートなどをお弁当箱に使うことで増殖速度を遅延させるのです。出来る限り天然なもの、自然なものが原材料であると心配事は減りますね。
あとは、pHの調整です。中性付近であると細菌が増殖しやすいので、pHを調整する事で、食材を長持ちさせる事ができます。具体的には、お酢を使って酸性にすることです。実例としましては、鯖寿司などがイメージしやすいのではないでしょうか。昔、若狭で釣り上げた鯖にお酢を使うことで、京都の町まで運べたわけですから。

最後は、「やっつける」です。
加熱殺菌という事です。
調理することで食材中の細菌をやっつけたり、調理器具も加熱や煮沸によってやっつけることができます。腸管出血性大腸菌O157等の食中毒予防として広まった「中心温度は75度で1分間の加熱」を心掛けて下さい。でもね、まだ注意が必要です。カレーやシチューのような料理で、かつ、大きな寸胴で大量調理した場合、セレウス菌のような嫌気性菌が増殖する可能性があります。加熱だけでなく、底から空気を入れるように掻き混ぜるようにしましょう。耐熱性があるので、速やかに喫食することをお勧めいたします。さらに曲者は、黄色ブドウ球菌です。増殖と共に、耐熱性の毒素であるエンテロトキシンを生産します。加熱によって黄色ブドウ球菌を死滅させたとしても、耐熱性のエンテロトキシンは加熱で分解できません。この毒素によって食中毒が発生する事も考えられます。

品質管理、品質保証、さらに、食品表示やエネルギー計算など、何かお困り事が御座いましたら、お気軽にご相談ください。


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