パッケージデザインについて
お客様とのやりとりの中でたまに遭遇する問題として
パッケージ展開図のない場合があります。
商品開発と同時に、パッケージデザインも必要!と
お考えになるようで、デザインのご依頼があります。
このような場合、当然パッケージの展開図はご用意いただけません。
私が提供している、
パッケージのグラフィックデザインの場合、
実はパッケージデザインの末端(最終)の作業であることを
ご存じないお客様も多いことと思い、
その、流れについて下記にまとめてみました。
お客様のご参考になれば幸いです。
■ パッケージのデザインを大きく分けると下記の2つ
1. 印刷の前段階で、パッケージ形態を探るためのデザイン
(企画書用やプレゼンテーションのダミーなど/展開図は必要ない)
2. 販売の前段階で、コストを鑑みた具体的なデザイン
(実際のパッケージ製作/展開図が必要)
■上記「 2 」のデザインはさらに 5 段階に分かれます
2 a-a. パッケージそのものの立体デザインをする場合 - その1
商品コストに大きく関わるパッケージ本体のデザインは、
商品をより良く見せ、かつ、印刷可能な形態、素材、コストを鑑み
お客様と印刷会社で、試作で確認し協議を重ねるのが基本です。
試作の繰り返しになるので、数週間〜数ヶ月必要となります。
この時点で、パッケージの展開図ができあがります。
多くの場合、この段階でグラフィックデザイナーは参加しません。
2 a-b. パッケージそのものの立体デザインをする場合 - その2
多くの場合、この段階でグラフィックデザイナーは参加しません
が、より商品にフィットした魅力的な包装にするため、
この段階からデザイナーのみならずコピーライターなど
クリエイターが参加する場合もあります。
資生堂をはじめとした大手プロダクトメーカーなどは、
この作業にクリエイターの時間拘束を必要とすることから
自社にクリエイティブ部門があり商品の初期段階から
プロジェクトに関わります。
また、大手メーカーではなくとも
パッケージ開発の時間と予算が潤沢にある場合は、
商品開発の初期・中期段階くらいからクリエイターが参加し
ネーミングやパッケージデザインにあたる場合もあります。
2 b. 形態が決まっているパッケージの平面(グラフィック)
デザインをする場合
上記 2a により、できあがったパッケージの展開図に、
平面(グラフィック)デザインをする段階です。
私が出品しているパッケージデザインサービスも
この段階となります。
商品の内容とパッケージの形態、お客様のご希望を総合的に検討し
より魅力的、より効果的、ついつい買いたくなる
グラフィックデザインを提供するものです。
最終的には、すぐに印刷ができる品質の状態で納品となります。
2 c. OEM等の外部と連携して商品開発をしている場合
OEMなどで商品開発をされている場合は、
商品開発が進行すると、商品の最終的なサイズ・形状が
決まってきますので、箱か袋か?ボトルか缶か?など
できあがる商品に適当と思われるパッケージ本体の形態を、
OEM先様とご相談いただければ、工場の機械にマッチする
パッケージ形態や印刷方法をご教示いただけると思います。
パッケージの印刷は、お客様の指定する印刷会社でも良いですが、
OEM先が取引のある印刷会社を利用すると
OEM先様と印刷会社様の連携により、
スムーズな進行が期待できます。
この時点で、展開図を取り寄せることが可能ですので
適宜ご用意いただければ、以降は上記2bの進行と同様です。
2 d. 極めて小ロットの場合
数十〜数百単位の極めて小ロットの場合などで、
市販されているパッケージ素材を使用する場合には
展開図がありません。
この場合は、使用する市販のパッケージ素材メーカーで
寸法を調べたり、
写真や詳細な寸法などをお送りいただくことで
デザインが可能となります。
以上、パッケージデザインと展開図の大まかな関係となります。