僕の話(虐待による外傷体験を創作の世界に落とし込んで失敗した話)

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こんばんは。中本純(なかもと じゅん)です。ブログをしたためるのは二回目です。
今回の内容もタイトル通り、僕自身の話になります。
前回の『お知らせブログ』にハートマークをつけてくださった方、有り難うございました。

本題に入る前に、本ブログを公開するにあたってお伝えしておいた方が良いと思われる情報について記載いたします。
前回のブログをお読みくださった方は、ほぼ繰り返しとなりますので『----------』まで飛ばしてお進みくださいませ。

・僕は自閉症スペクトラム障害です。二次的な精神疾患も複数抱えております。
・解離性障害と実親からの虐待によるPTSDも発症しており、障害等級二級の手帳持ちです。
(※表記は僕が診断を受けている呼称で統一しております)
・『僕の話』には、僕の抱える障害や疾患、症状などの記載が含まれております。もしも似たような状態にある方がいらっしゃいましたら、僕の話を読むことで、フラッシュバックを起こされたり、ショックを受けられたり、気持ちが辛くなってしまう恐れがあります。お読みにならないことをおすすめいたします。
・僕自身も似たような状態にある方の手記や体験談はフラッシュバックやパニックを引き起こすことがあるため、読むことはできません。
・特性や自身の状態、物事の考え方について触れておりますが、あくまで『僕の場合』の話です。様々な属性と要素を合わせて人間は成り立っているため、汎用性はあまりないかもしれません。
・僕は言葉を扱うことが得意ではありません。文章がきちんと伝わるように書けていない恐れがあります。筋道が立っていないように感じられる箇所やご不快に思う表現が含まれておりましたら、申し訳ございません。

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では、本題に入ります。
前回の『お知らせブログ』にも書きましたが、僕は自身が経験した暴力や暴言、肉体的・精神的に辛かったことを『そのまま僕の言葉』として伝えることが上手くできません。言葉にしようとすると、胸のあたりがつかえたようになってしまいます。
これは、口頭でも文書でも同じことです。手書きの場合は文字が震えてしまいますし、コンピューターを使う場合は手が止まってしまうのです。涙が溢れてどうしようもなくなることもあります。今こうして概要を書くだけでも、ブレーキがかかったようになりながら書いている状態です。

そんな僕は、内面の処理をするために、よく『小説(フィクション)の世界に落とし込んで封じる』という方法をとっています。自身で創作した物語の中に、僕の分身を登場させ、僕の辛苦を肩代わりしてもらう、というのでしょうか。
今回は、そうやって作り出した作品に関する失敗の話を書きます。

ココナラで『創作物への感想送付サービス』を出品されている方へ、『虐待そのものがテーマの救いのない物語』に対する感想を依頼しようとしてブロックされた話は、前回の『お知らせブログ』でも触れました。
そもそも、フィクションの中でも『自身や自身が大切に思っている人をモデルに含む(完全なモデルでなくとも何らかの要素を含む)作品』というのは、扱いが難しいものです。見せる相手から示された反応を、過敏に受け取ってしまう危険性がございますので。
例えば、お相手様から『この作品のこの部分をこうした方がよいと思います』というアドバイスを頂戴した時に、『商業的な価値基準で見て、この作品はここの部分を変えるともっと面白くなると思います』という意味なのだと捉えることができず、『私(ないし私が大切に思っている人)の人生を否定された』と受け止めてしまうような場合です。
そういった危険性をはらんでいることは分かっていたので、僕は内面処理のために書いた作品を人様に見せることはあまりしませんでした。『作品として書く』こと自体が目的であるので、書き終えた時点で目的は果たしているといえます。それを敢えて人様に見せようとする時は、何か自分の中で『この人に見せたい』というような感情がわいた時です。その中には『僕の抱える辛苦を理解されたい/この人なら僕の気持ちに寄り添ってくれるかも』という期待が包含されているようにも思います。
僕には、パートナーや親しい友人や、支援員さん、カウンセラーさんのように、僕の話を真剣に聞いてくれる相手はいます。つっかえながらも何とか話す僕を急かしもせず、根気よく待ってくれることにいつも感謝しています。
ただ、仕事として僕に関わってくださっている方々は、話せる曜日と時間が決められておりますし、パートナーや親しい友人にも『大切にしている個人の時間』があります。僕側の都合でその時間を奪ってはいけないのと、近しい相手だからこそ話せないことというのもあって、それらを落とし込んだ作品を、時に外の世界の誰かに見てもらい、感想を聞きたくなるのかもしれません。
先のブロックの件でも、問い合わせの際にお渡ししたのはそういった作品でした。制作に関わってくれたのは、自身も虐待の経験者である友人(僕などよりよほど酷い仕打ちを受けていたサバイバー。今は福祉関係の仕事をしている強くて優しい人です)であり、僕の作品制作の背景や経緯なども理解してくれた上で完成した作品でした。
──というこちら側の事情は一切伝えずに問い合わせをして、「内容があまりにもひどいのでお引き受けできません」とのお返事をいただいた後にブロックをされたのが大体の大筋です。
やり取り中のメッセージから受けた印象では優しそうな方でしたので、僕が事情を話した上で問い合わせをしていたなら『断りたいけど断り辛いな……』と悩ませてしまったかもしれません。そうならなかったことは良かったと思います。無理やりやりとりを続けてくださるのは僕も苦しいので。
お相手様には酷い労力を負わせてしまったので、何か優しい物語が書けた際にお取引をさせていただけたなら、先の問い合わせで掛けてくださったお力分の対価と謝礼を合わせてお渡しするつもりでおりましたが、叶いませんでした。
お相手様に嫌な思いをさせてしまうという、この失敗の後から、僕はそれまでにリピート購入をさせていただいた出品者様とだけお取引をするようにいたしました。僕のココナラの利用規約に対する解釈がずれている部分もございましたので(僕の辛苦を投影した作品が『暴力的』で『受付不可』とされるなら、『悩み相談』のカテゴリーで『自身が受けた暴力の話』もしてはいけないことになるが、そうはなっていないので僕の作品も規約で守られている範囲内であるはず、と思っていたのです)、失敗の危険性が低そうな方と無難そうな案件のみでお取引をさせていただくことにした次第です。

また、内面処理のために書いた作品に関する失敗はまだあります。
僕は作中に自分の分身を作り出す時、『完全に僕を投影した人物』にはできません。『僕ではない誰か』として造形しなければ苦しくて書けなくなってしまうので、何かしら僕から離れた属性を与えるようにしています。
そのため、作り出す分身は『人並みはずれて利他的』であったり『健気な女の子』だったりします。
僕自身は、人に手をあげたり乱暴な言葉を浴びせたことはありません。親から殴られていた頃に、「あんたの褒められたところは、殴られても蹴られてもやり返してこないところ」と言われていました。
ただ、意図せず人様に嫌な思いをさせてしまうことはあるので(先の件然り)、人畜無害とは言えません。
そして、作品のジャンルはホラーや怪奇物に設定することが多いです。これは『架空の世界の恐怖によって現実の辛苦から逃避する』という僕の思考回路によるもので、子供の頃から培われたものです。
こうして出来上がった作品は、『何の非もない無垢な子たち』が『酷い目に遭わされる』という内容になりがちです。
そんな作品を見せた創作仲間から、「私は大丈夫だけど、見せる相手は選んだ方がいいと思う。君を知らない人が読んだら、『女の子や小さい子を痛めつけるのが好きなヤバイ奴が書いてる』って思われかねないよ」と注意を受けたことがありました。
もとより公開する(不特定の相手に見せる)気はなく、見せる相手も『僕を知っている人』だけにしていたので、問題ないだろうと思っていました。
ところが、今度は見せた相手から「文章も展開も単調で表現力に乏しく冗長。(虐げられる)子供たちのキャラクターに厚みがなく、リアリティーが感じられない(ので感情移入ができない)」と言われてしまったのです。これはかなりの衝撃でした。
『現実に存在している僕』の外傷体験を投影した人物たちを『リアリティーがない』と評されたことで、情緒が著しく不安定になってしまい、当時お世話になっていた支援員さんが「異変を感じた」とのことで毎日連絡をしてくるようになりました。
もちろん、見せた相手の言うところの『リアリティー』は『フィクションに於いての』という前提に立っていることは分かっており、あくまで『文芸作品として求められる水準まで達していない』という話であったのも分かっておりました。
それでも上手く受け止めきれなかったのは、相手が『僕を知っている人』で、『作中の人物たちの気持ちを汲んでくれること』を無意識のうちに前提していたせいです。
作品を見せる時、一義的に『こう読まれる』という意識でいることは、見せる相手の意思や感情、価値観などを認めないという横暴に繋がる恐れがあるので、気をつけなければならないことでした。その点と、文芸にするには技術が足りなかったことが失敗の原因であるように思います。
(この方とは、現在も創作物に対する意見交換をおこなう関係を続けさせてもらえています。有り難いことです)

ココナラでも他の場所でも失敗はまだまだございますが、ご寛恕くださる方がいるっしゃることに救われてもおります。
前回の『お知らせブログ』でも書きましたが、ココナラで初めて問い合わせをさせていただいた方は、今でも変わらずお取引を継続させてくださっていて、僕がココナラを通じて対外的なコミュニケーションをおこなえていられるのは、この方のおかげでもあります。
現在もリピート購入をさせていただいている出品者様、長い間お付き合いくださっている出品者様、皆様に心より感謝申し上げます。

本ブログは以上となります。
最後までお読みくださり有り難うございました。
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