国民健康保険の保険料が高い! と嘆いている人に、
「資産運用会社作って法人化し、自分の健康保険組合作るって方法もありますよ」
というアドバイスをしている人を見かけました。
どれほどのサイズの資産運用会社を作るのかは不明ですが、健康保険組合まで設立しようとするとなかなかのハードルです。
700人が働いていないと健保組合は作れない
単一事業所で健康保険組合を設立しようとする場合、事業所で働いている人が常時700人以上いることが条件になります。
アドバイスには資産運用会社とありましたが、おそらく個人の資産管理会社だろうと思います。
社員は自分1人という、流行りのマイクロ法人だとしたら、健康保険組合を作ることはできません。
作れたとしてもおすすめしませんが。
ものすごい資産がある人で、700人以上の社員が資産を管理しているということもないとは言い切れないので、そうだとするとどのくらいの規模感なのかを考えてみました。
日本生命グループのニッセイアセットマネジメントには役職員が631人います。
大体700人規模の会社と言えるでしょう。
ニッセイアセットマネジメントの純資産合計は約750億円です。
個人資産がこのくらいあれば、健康保険組合の設立も視野に入ってくるかもしれません。
健保組合なんか作っても面倒なだけ
健康保険組合の設立には厚生労働大臣の認可が必要です。
この段階でいろいろ難癖付けられることでしょう。
首尾よく健康保険組合を設立したとして、その後の運営が当然ながら必要です。
保険料を集めて、保険給付を行い、国に納付金を払って、理事やらを選んで予算決算の承認プロセスがあって…などなど、運営にかかわるプロのスタッフが数人はいなければ立ち行きません。
健康保険組合は厚生労働省の事務を代行する機関なので、何でもかんでも厚生労働省の決まりに縛られますし、あれこれ報告したりお伺いを立てたりもしなくてはなりません。
ひらたく言えば面倒です。
コストもかかります。
少なくとも、国民健康保険の保険料が高いという理由で健康保険組合を設立するのは、多分割に合いません。
やめておきましょう。