中小企業経営のための情報発信ブログ432:異業種にイノベーションの芽がある。

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今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
昨日、イノベーションについて書きました。今日も続けてイノベーションについて書きます。
18世紀の産業革命では、大型設備を作り集中生産することによってコスト低下を効率向上という「大企業モデル」と「資本主義の下での市場経済」も生み出されました。産業革命以前は小規模分散の小さな村単位の自給自足経済でした。ここでは、多くは共有財産で、私有財産という概念は希薄で、村の都合を無視して自己利益を追求することは「悪」とされ、これに違反すれば村八分にあうという状況でした。
産業革命による資本主義経済は、
1:営利企業の方がより良いサービスを提供できる。
2:貨幣による在・サービスの交換がベストである。
3:消費者には所有欲がある。
4:生産者と消費者は別の主体である。
という4つの原則があります。
しかし、これらの原則が崩れてきています。ウィキペディアを例に取れば、1については、非営利団体であるウィキペディアが百科事典を凌駕し、2については、ウィキペディアは執筆者も利用者も無料であり、3については、人は百科事典のようにウィキペディアを所有しているわけではなく、4については、自分で加筆修正できて読者であるとともに執筆者でもある、ということです。
資本主義こそがイノベーションを起こすはずなのに、資本主義の原則から逸脱しているウィキペディアがイノベーションを起こし既存の百科事典を凌駕しているのです。
また、デジタル化により分散している資源を安価でつなぐことが可能になり、その結果以前には不可能であった「小規模分散資源の組織化」が可能になったのです。その典型がUberAirbnbです。ここで重要なことは、資本主義の前提でもある「大企業による大規模先行投資」という勝ちパターンが崩れたことです。Uberは世界最大のタクシー会社であり、Airbnbは世界最大のホテル会社といっていい状況ですが、それぞれタクシーも部屋も所有していません。資源を持たない後発の小企業が分散小資源を組織して先行大企業を倒すことが可能になったのです。
ウィキペディアが百科事典を凌駕した時に「同じことがわが業界でも起きるかもしれない」と気が付いたタクシー会社やホテル会社があったでしょうか?
これは人間の想像力がいかに貧困であるかを示す事例で、「他業界だから関係ない」では済まされないのです。むしろ異業種で起こっていることにイノベーションの新たの芽があるかもしれません。
200~300年に1度起きるか起きないかというパラダイムシフト(大きな価値観の転換)が起こりつつあるという見方があります。特に新型コロナウイルスの世界的な大拡大は私たちの生活や価値観に大きな変化を与え、半ば強制的に「ニューノーマル」と言われる新しい生活様式が生まれ働き方を変えようとしています。こうしたことが、パラダイムシフトになるかどうかはまだ分かりませんが、少しずつ変わりつつあるように思います。資本主義にしても200~300年前に確立した新しいパラダイムで、それ以前は真逆な価値観が支配していたのです。
(企業戦略の根本原則が)どのような方向で変わっていくかは定かではありませんが、うまく対応すれば大きなチャンスになるでしょう。逆に、過去の成功にしがみつく企業にとっては脅威にもなります。経営者は、自分の頭で、このことを考えなければなりません。
「自分の頭で考えろ」と言ってしまえば身も蓋もありませんが、「自分で考えなければならない」というのも事実です。
しかし、誰も思いつかなアイデアや卓越したひらめきだけがイノベーションを生み出すわけではありません。市場の変化と時代の流れに対し、常にアンテナを張り巡らし常に模索し続けることが重要です。
イノベーションには「不確実性」と「リスク」が伴います。この「不確実性」と「リスク」を恐れ何もしなければ他社に後れを取ることになります。「リスク」というのは常にマイナスや悪ではありません。取らなければならないリスクもあります。リスクを取ることでプラスに転じ事態が好転することもあります。イノベーションを起こすには「正確なリスクの把握」と「適切なアクション」が必要です。
ウイズコロナ、アフターコロナの時代には、益々今後の予測が困難となり、企業の存続と成長にイノベーションが欠かせないものになってきそうです。しかし、他社で成功したイノベーションが自社で通用するかというと不確実です。自社の状況にあったものを見つけ出し、自社が解決すべき課題にあったイノベーションを創造することが重要なのです。
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