中小企業経営のための情報発信ブログ379:リスクマネジメントとしての謝罪会見

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今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、リスクマネジメントとしての謝罪会見について書いてみます。企業においても不祥事が発覚し、謝罪会見を開かざるを得なくなることはあります。政治家の会見では火に油を注ぎ鎮火するどころかさらに炎上するケースが見受けられます。
すべての企業において危機管理は極めて重要な課題です。
不祥事や事故が発生した場合に重要なのは、正直で迅速な対応です。「隠せるものなら隠してしまおう」という隠ぺい体質が企業にはありますが、事実を隠蔽する姿勢は、更に状況や結果を悪化させるだけです。迅速に事実を正確に正直に公表する、それに対する善後策・対応策を取ることが重要です。初期対応の良し悪しがその後のすべてを決定すると言って過言ではありません。したがって、企業不祥事対処の基本的な姿勢は次のように整理できます。
1:露見する前に、極力自ら公表する。
 2:迅速に「対策チーム」を立ち上げ、情報の一元化を図る。
 3:情報をできるだけ多く集める。
 4:マスコミ対応は「正直・誠実・オープン」な態度・姿勢で
 5:トップが陣頭指揮を執る
情報発信が当たり前の時代において、謝罪会見を開くのも不祥事に対する危機管理の一環です。記者会見に臨む姿勢、そこで語られる言葉、記者会見に至るプロセス、これらすべてにおいて誠心誠意を尽くすことが求められます。すべての人が納得する記者会見というのはあり得ませんが、記者会見での対応に失敗すると、経営陣の辞任、消費者の信頼を失い経営悪化、最悪倒産という事態に追い込まれます。
こうした事態を避けるために、不祥事の危機管理、特に記者会見での対応について考える必要があります。インターネットが普及した現代では、情報は拡散し残り続けます。記者会見はその場だけのものではありません。記者会見の内容だけでなく、その場の態度や行動も残ります。むしろそこで語られた言葉以上に、行動や態度は強いインパクトをもって残り続けます。そこで、誠意ある態度や行動が重要ということになります。
記者会見でのポイントは次のようになります。
➀ 最適な伝達方法を検討する。記者会見かプレスリリースか、何が最適な伝達方法かを考える。記者会見だけが最適な情報発信方法ではない。
 ② トップ自らが正確な事実を理解・認識した上で、積極的に対応する。
 ③ 正直・迅速な対応を基本に、責任回避と受け取られるような発言や、安易な憶測発言は避ける。
 ④ 事故や不祥事については、真心を込めた遺憾の言葉やお詫びの言葉を表明する。
 ⑤ 事件発生の経緯を時系列で報告し、原因調査結果の最新情報について、正直に公表する。
 ⑥ 被害者や遺族などへの対応や補償について、誠心誠意の姿勢であたることを公表する。
 ⑦ 責任問題については、事実の解明と調査結果に基づき、適切に対処することを表明する。
 ⑧ 問題解決・再発防止に向けた企業としての具体的な方針や取り組みについて積極的に述べて、企業努力に対する理解を求める。
 ⑨ 質問に対しては、常に真摯な態度・姿勢での対応に心がける。
 ⑩ 会場の選定・設置や会見時の服装にも気を配る。
企業経営においてリスクはつきものと言っても過言ではなくなっています。企業経営とはリスクマネジメントに尽きると言ってもいいでしょう。リスクマネジメントにおいて重要なことはリスクを正確に認識・理解することから始まります。企業経営においてリスクは避けて通ることはできません。常に企業経営に内在するリスクを意識し、万が一不祥事が発生した場合に、どのようにそれに対処し、リスクを最小限にするかを考えておかなければなりません。先ほども書きましたが、初期対応がすべてです。そこで間違えれば取り返しができません。
リスク管理の重要性を認識するとともに、菅首相や森会長を反面教師として、企業不祥事が起きた際の対処方法や記者会見の仕方についても考え、あらかじめ準備しておくことは大切だ(初期対応がすべて)と思います。
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