中小企業経営のための情報発信ブログ210:テレハラ・リモハラ

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ウイズコロナの働き改革のメインはテレワーク・リモートワークです。そこで問題となるのが、働いている姿が見えないことから起こるパワハラ(パワーハラスメント)です。「テレハラ(テレワークハラスメント)」「リモハラ(リモートハラスメント)」という新語が生まれています。
テレワーク中の社員からは「いつも見張られている気がする」「以前より頻繁に報告が求められるようになった」「常に回線を接続しておかなければならなくなった」という不満や意見が聞かれます。
一方、管理職からは、「部下が仕事をしているか、サボっていないか気になる」という意見が多く、最近はテレワーク中のパソコンの中を覗いてどれだけ仕事をしているかチェックするシステムまで出てきています。これではまるでストーカーです。しかし、こうした管理職の行動自体に問題があるわけではありません。誰かがサボればほかの人にしわ寄せが行きます。こうしたことを防止するのも管理職の仕事です。また一人がサボれば「真面目にやるのは馬鹿馬鹿しい」と他の者までサボり出します。管理職はそうならないように目を光らせてチェック、管理しなければなりません。
「テレハラ」「リモハラ」の根本原因は、管理職の意識や姿勢にあるのではなく、組織と仕事の仕組みにあるのです。従来の組織や仕事の仕組みはテレワーク・リモートワークに適していないのです。
「テレハラ」防止に有効な解決策は、社員がサボってもよい仕組みを作ることです。サボってよい仕組みとは、仕事へのインプット、すなわち働きぶりは問わない代わり、アウトプット、すなわち仕事の成果を厳しく問う制度です。成果を上げている限り「サボる自由」があるということです。ただ、成果を上げているか、役割を果たしているかどうかを評価するためには、一人ひとり仕事の分担が明確になっていることが重要です。
もちろん、すべての仕事をアウトプットで評価することは難しいものですし、一人ひとりに仕事を分担させることが困難な場合もあります。このような場合でも、監視をしないで済む工夫や仕組みはあるはずです。
その一つが、「成果につながるプロセス」を見ることです。開発がどこまで進んでいるのか、取引先との契約がどこまでまとまりかけているのか、というように成果に近いところでプロセスを評価するのです。
次に、態度よりも貢献を見るのです。例えば、突発的な仕事を誰がしたのか、企画案の作成や意思決定にどれだけ貢献したか、だれがどのプロジェクトに参加してどんな役割を果たしたか、などを日報に記録し、メンバーが見られるようにすればいいのです。このように客観的な貢献度に注目することで仕事ぶりを監視する必要が減り、評価の透明性も高まります。
その人に求められている仕事の成果や果たすべき役割に近いところで評価すれば、そこから離れた仕事に対する態度や姿勢は本人の裁量にゆだねられるので、サボっているかどうかを監視する必要はないと言っています。
そして、努力や頑張りに価値があるわけではなく、成果を上げて役割を果たすことこそ大事だという原点に立ち返ることが「テレハラ」「リモハラ」の防止につながると言えるように思います。
確かにそうなのですが、ドライに成果主義をとることには躊躇を覚える人も多いでしょう。かつて流行した成果主義では、厳しいノルマを押し付けられたり、成果を達成するように煽られたりして、別の「ハラスメント」が生まれました。
日本においてはドライに割り切って仕事の成果や役割だけを評価基準にすることは困難なように思います。そうなるためには、仕事の仕組みや組織の在り方を一から見直すことから始めなければなりませんが、アメリカの企業や外資系企業と違い、家族的な人間関係を重視する日本の企業、特に中小企業や零細企業では難しいでしょう。
日本人は真面目な国民性を有しています。テレワーク・リモートワークになってもほとんどの人はサボることなくまじめに仕事をしています。こうした性善説に立って、監視の必要性はないとの前提でいいのではないでしょうか?
テレワークを行っている者を信頼し1日2回(始業時・終業時)程度の報告でよいのではないかと思います。管理者は、部下の監視に無駄な時間を費やすより、自らの仕事に注力すべきです。
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