中小企業経営のための情報発信ブログ119:リーダーに必要な意思決定力

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、リーダーに必要な能力の1つである「意思決定能力」について書きます。
いくら有望な市場でも、いくら優秀な人材を集めても、リーダー次第で組織は停滞します。
一般に、リーダーに求められる資質として、次のようなものが挙げられます。
Ⅰ:明確な意思表示(意思決定)ができる・・・明確な判断ができなければチームの目標も定まらず、チームを一つの方向に導くことができません。
Ⅱ:寛容の態度・心構え・・・チームメンバーの多様な意見を聞くこと、そしてそれを取り入れる寛容さが必要です。
Ⅲ:メンバーとのより良い人間関係・信頼関係の構築・・・メンバーとの信頼関係ができなければ、チームを目標に導くことはできません。
Ⅳ:他の人ともコミュニケーションが取れる・・・チームメンバーだけでなく、外部の人とも円滑なコミュニケーションが取れ良好な関係が築くことができることが必要です。
 Ⅴ:柔軟な対応力・・・判断には時々の状況に合わせて柔軟な対応が求められます。
Ⅵ:問題の本質を見抜くことができる・・・問題解決の前に、どこに問題があるのかを提起でき、問題の本質が何かを明確にできなければなりません。
リーダーに最も必要なの能力の1つが「意思決定能力」です。
慢性的に優柔不断なリーダーが多い中、偉大な企業や組織を作るリーダーは優柔不断に陥ることがなく、完璧な情報がなくても決断します。ビジネスの世界で、完璧な情報がそろっていることなどありません。リーダーは十分な情報がない状況でも迅速に意思決定し行動を起こさなければならないのです。
1.分析しすぎて決断できなくなる
 物事をじっくりと分析するのは良いことである反面、分析にだけ拘っていたのでは「分析麻痺」の状態に陥ってしまいます。あらゆるリスクを排除できるほど、あるいは迷いなく決断できるほど十分のデータや情報が集まることはほとんどありません。
 また、あらゆる経営分析は前提をどこに置くかによって結果は変わってきます。全く同じファクトを前提としても、人によって全く異なる結論に達することも多いのです。それは、ぞれぞれが異なった前提に基づいてファクトを見ているからです。同じデータや情報でも、それを見る人の前提によって評価は大きく変わるのです。
 分析しようと思えばきりがありませんし、断定的な結果が出ることも稀です。それでも決断しなければならないのが経営というものです。決断を先延ばしにすることはできないのです。それにもかかわらず、分析ばかり行って決断をなし得ないリーダーは多いのです。
 リーダーの仕事は分析を尽くすことではなく、意思決定を下すことです。無分別な行動や思い付きで闇雲に動くのは論外ですが、ある程度の情報やデータが出そろった段階で、決断し、後は一か八か賭けるしかないのです。
2.直観に従う
 不完全な情報しかない場合、どうやって最終的に判断するのかというと、本能あるいは直観に従うしかないのです。
 直感で判断することは非科学的であり、抵抗を感じる人も多いのですが、意思決定が上手い人の多くは、冷静な分析と直感の両方を組み合わせて意思決定を行っています。
 直感が働かないという人はほとんどいません。直観は誰にでもあります。難しいのは、それを認識し、活用することです。
 そのために重要なのは、問題や判断の核心を見ることです。枝葉末節を整理し、メリットやデメリットの長々としたリストは捨て、「問題の本質は何か。細かいことはどうでもいい。重要な点は何か」を問いかけることです。
 問題の様々な特徴や複雑性にこだわるのを止めて、余計な部分はそぎ落とし、問題の本質的要素を炙りだしたうえで、「直観はどう言っているのか」と向き合うことです。
3.直観を磨くには
 直感はセンスです。センスも磨くことは可能です。センスを磨く有効な方法は「自分の判断に対する内なる反応をじっくり観察してみること」です。
 例えば、メリットとデメリットが延々と続くリストを抱え、二進も三進もいかなくなったとき、適当に結論を出して、それに自分がどう反応しているかを観察するのです。ほっとしていたら、あんがいそれは正しい判断で、不安や緊張感があり「何か嫌な感じ」がするなら、おそらく間違った判断だろうというのです。
 「これが正しい行動と思うが、○○の不安がある」という時は、直観に反して危険な判断を下そうとしているサインなのです。
 楠木建教授も「経営センスの論理」の中で「経営はセンスである」と言い、戦略の事例に当たってその文脈で「センスの良さ」を読み解き、掴み取ることで、磨くことができると言っています。経営というのは特殊解で、スキルだけではどうしようもありません。センスとスキルの両方が必要です。スキルだけではどうにもならないことも多いのです。そのときにはセンスである直感に頼らざるを得ないのです。失敗しないためには直感(センス)を磨くしかありません。最初は失敗するかも知れませんが、その経験を通じてセンスは磨かれていくものです。
4.判断は「誤る」方が「しない」よりましなことが多い
 ビジネスの世界で打率10割は不可能です。流石に野球のように3割というわけにはいきませんが、6割ならば合格です。4割の失敗は許されるのです。
 何もしないで決断を先延ばしにするのは、リスクに直面せずに安心できるかもしれませんが、足を止めることが許されない中小企業の世界では、結論を先延ばしにすることは足元をすくわれ、致命的な大失敗につながることもあります。差し迫った問題があるならば、先送りするのではなく、直ちに決断を下して、やっていくしかありません。
 決断して行動を起こさなければ前に進みません。決断した結果間違いでだったのであれば、問題を分析し、その本質的なところを見極めて軌道修正していけばいいのです。
 判断をしないということは、往々にして、誤った判断を下すより悪い結果につながります。問題に正面から向き合い、追いつめられる前に攻撃に出て、決断を下すのです。間違っても仕方ありません。結果はすぐに跳ね返ってくるので、解決に向けて動き出すことができます。
 失敗するのは当たり前、失敗してそこから学ぶということが重要です。筋トレではありませんが、失敗するまで負荷をかけ続けるのです。失敗すればそれに適応してさらに強くなります。
 意思決定して、そのうち何度か失敗をし、そこから学習するのです。一つも失敗しなければ、いつまで経っても成長はありません。時折失敗するから強くなれるのです。
 分析ばかりで決断を下すことのできない優柔不断なリーダーでは組織は疲弊します。ある程度分析して得られたデータや情報に基づいて意思決定を下し行動すること、それが間違っていれば軌道修正する柔軟さを備えていることがリーダーには必要です。
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