他人のマナー違反の注意の仕方-自らの安全を期するために
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昨日取り上げた歩きスマホを始め街でマナー違反している人に出くわして、それをやめてほしいときに、どのように伝えればいいのでしょう。
最近は、他人から注意されて大人しく「はいわかりました。どうも済みませんでした」なんて謝るなんて人はほとんどおらず、すぐに激高し、乱暴まで働く人が増えていますから、悩ましい問題です。
たとえば、灰を無造作に散らして歩いている路上喫煙者の男性に注意したところ「はぁ!?関係ねぇだろ!」と逆ギレされたとか、
歩きたばこをする男に注意した男性が殴られたなんて話もあります。
しかし、では彼らはなぜこんなにも簡単に逆切れするのでしょう。
まず、人が逆ギレするときには、「自分の行動やミスを責められたくない」という防衛本能や「自分に非があることを認めたくない」という心理が働くとされています。
特に、「この人には直接的な迷惑はかけてない」と思っている人から強く攻撃的な口調で注意されると、反発心が湧くようです。
彼らは、心のどこかで「自分が悪かった」ことは理解しながらも、反省するどころか他人から指摘されることで反発心が芽生え、素直に認められず、攻撃的な態度をとって自分を正当化します。
そして、自分に注意した人の言い分はとりあえず横に置き、「攻撃された」ことに対して反応するわけです。
ついでに書いておくと、面白いことに、彼らの多くは、自分に直接関係のないことにも「許せない」と怒りますが、自分が批判の対象になると必死で防衛しようとします。
では、もし注意するのなら、どうするのが一番良いのでしょうか。
残念ながら、こういうやり方で注意すれば絶対に角が立たないなんて方法はないのですが、少なくとも言い方に気をつけたほうがいいとはいえるでしょう。
相手を非難するのではなく、「この辺りは、路上喫煙は禁止されているみたいですね」といった感じですね。
また、「みんなが迷惑してるからやめて」という、自分以外の人を主語にした、他の人の代弁的な言い方はなるべく避けましょう。
「ここにいる、あなた以外の全員があなたに迷惑している」という意味になり、“1対全員”という構図を示すことで相手を必要以上に追い詰めてしまい、激昂される率が高くなってしまいます。
要するに、なるべく相手を刺激しないような調子で「私はとても迷惑している」という、主語を自分にした“アイ(I)メッセージ”で意思を伝えられると、厄介なトラブルに発展する可能性が低くなるでしょう。
特に、正義を振りかざした上から目線の注意は絶対に禁物です。
最後に書いておくと、25歳の女性がバス内で彼女のマナー違反を咎めた74歳の男性と口論になり、女性は逆上。バスのドアが開いた際、降りようとした男性を突き飛ばしたなんて事件がありました。
しかし、申し訳ないですが、この男性は心構えが足りないですね。
他人に注意なんてしたら、口論くらいならまだましなほうで、どんなひどい仕返しをされるかわかりませんから、必ずその相手がいなくなり、完全に安全が確信できるまで油断をしてはいけないのです。
情けないとおもうでしょうが、これが現代の他人に注意をする際の覚悟ですね。
では