ジャニーズ問題で思い出すワインスタインズ・スキャンダル
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またまたジャニーズ問題についての記事で恐縮です。
ジャニー喜多川氏が引き起こした事件から、アメリカの大物映画プロデューサー ハーヴェイ・ワインスタインズの事件を思い出すのは私だけではないと思うのですが、なぜか書く人がいないようですので、ここで取り上げます。
以下にハーヴェイ・ワインスタインズ事件を簡単に説明しましょう。
この事件は、アメリカの大物映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによる性的暴行と性的嫌がらせの告発を中心に展開したスキャンダルです。
ワインスタインの名前は、これまで少なくとも30回以上は受賞スピーチで感謝リストに挙がり、メリル・ストリープも彼のことを冗談交じりに「神」と称えたことさえありました。
それほどワインスタインは業界内で絶大な力を持ち、一夜にして無名を有名にする力を持つ人物の「プライベート」オーディションに行くよう自分のエージェントから言われたら、駆け出しの女優にはほぼ選択の余地はありませんでした。
実は、ワインスタインによる性的暴力や性的嫌がらせの告発は、数十年にわたり存在したのですが、その度にもみ消されていました。
また、被害女性の多くは示談に応じており、証言すれば訴えられるという恐怖や当時のトラウマによって声を上げられずにいました。
また、メディアも積極的に取り上げようとはしなかったのです。
アメリカの映画業界にも隠蔽体質はあったわけです。
しかし、 アメリカの女優、アリシア・アローズが2017年10月にハッシュタグ「#MeToo」を使用して、ハーヴェイ・ワインスタインからの性的攻撃を告白しました。
そして、この告発に基づき、ニューヨーク・タイムズとニューヨーカー誌が、多くの女性がワインスタインから性的暴行や性的嫌がらせを受けたとする詳細な記事を公表しました。これによって、事件は国際的な注目を浴び、他の被害者も声を上げる勇気を持つようになりました。
その後、ワインスタインに対する告発は急増し、有名女優や映画業界関係者もその被害者として名を挙げました。告発には、強姦、性的嫌がらせ、セクシャルハラスメントなど、さまざまな性的犯罪が含まれました。
ワインスタインは告発に対し一部を認めつつも、多くを否認。一部の告発女性は合意関係だったと主張しましたが、証拠が積み重なり、2018年にニューヨークで性的犯罪の罪で有罪判決を受けました。彼は23年の刑期を宣告され、刑務所で服役しています。
ワインスタイン事件は、性的暴力と権力の乱用に対する社会的な意識を高め、被害者が声を上げる勇気を奨励しました。また、映画業界や他の産業でのセクシャルハラスメントに対する厳格なポリシーと規制の必要性を浮き彫りにし、社会的変革の議論を促しました。
以上がワインスタイン事件のあらましです。
ジャニーズ喜多川氏の事件とは当然ながら相違している点が少なからずありますが、
・力を持ったものが、弱い者に強引に性的関係を迫る
・非常に長期間にわたり続けられていた
・そして、関係者やメディアは知っていながら見ぬ振りをしていた
といった点が共通していますが、日本の芸能界もメディアもワインスタイン事件の教訓から何も学ばなかったようです。
また、ミーツー運動も一時は日本でも話題に上りましたが社会的ムーブメントにはなりませんでした。
芸能関係者もメディアも自分たちには関係がないと考えていたのでしょうか。
実際には、比肩するというか、遥かに越えるような醜聞が存在したのですが。
ただ、今回のジャニーズ事務所記者会見とこれに対する反応を見ると、日本はそれでも大きく変わることはないような気がします。
これでは、日本のショービジネスは世界から相手にされなくなるでしょう。
そのときになって慌てても遅いと思いますが。
では