ニュースによれば、有名なタイタニック号の沈没現場の調査(実際には観光)を目的として潜航していた潜水艇タイタンが事故にあったとのことです。
乗客は、英富豪のハミッシュ・ハーディング氏、パキスタン出身の実業家シャーザダ・ダウード氏(48)とその息子(19)、タイタニック号の探査専門家であるフランス人探検家ポールアンリ・ナルジョレ氏、そして、操縦士として潜水艇運営会社のオーシャンゲートの創業者でCEOのストックトン・ラッシュ氏の5人。
潜水艇タイタンは水深3,800メートルの海底に潜航していましたが、途中で連絡が途絶え、消息を絶ってしまいました。
アメリカ沿岸警備隊が懸命な捜索を行ったものの、タイタニックの船首から約490メートル離れた海底で破片を発見したとのことです。
乗っていた5人は死亡したとみられています。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
ところで、この潜水艇タイタンでのツァーは費用が1人当たり25万ドル(3545万円)と超高額なのですが、機体自体にかなりの問題があったようです。
なんというか「手作り」感満載というか。
過去にツァーに参加した人たちは、以下のように証言しています。
「初めて潜水艇に乗った時に電気の問題で船体が故障し潜水が取り消された。潜水に成功した時も電気装置の故障で予定時間より5時間も遅く潜水を始めた」
「潜水艇が下降する際にバランスを取るのに使われる『安定化チューブ』の固定装置が船舶から外れ、これをひもで結んだりした」
「潜水艇がタイタニック号の残骸へ向かう時に羅針盤は非常におかしく作動し、潜水艇が本来いなければならない位置から460メートルほど離れたところにいたりもした」
潜水艇タイタンはHomologation(技術認証)をされておらず、極めつけはいわゆる「ジョイステック」と呼ばれるゲーム用無線コントローラーで操縦されていたそうです。
「振り返ればあれは自殺ミッションも同然だった」との感想を述べる人もいます。
乗客たちはそれでも乗りたかったのでしょうね。
彼らは乗船前に免責同意書に署名することになっていたようです。
ただし、亡くなった乗客の遺族が提訴した場合、この免責同意書は無効となる可能性があるとのことです。
しかし、わたしは閉所恐怖症ではありませんが、非常に狭い船内で死を迎えるなんてとてつもない恐怖だったでしょうね。
いずれにしても、今後はこうした無謀なツァーを野放しにすべきではないでしょう。
では