第36回社会福祉士国家試験ボーダー予想

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 第36回社会福祉士国家試験が令和6年2月4日に実施されました。受験された方は合格基準(ボーダーライン)が気になってしかたないはずです。今回は得られる情報をフル活用して第36回のボーダーラインについて検討を行いたいと思います。
 社会福祉士国家試験のボーダーラインの予想をするためには、明確な合格基準が必要です。しかし、社会福祉士国家試験は35回実施されているものも、その合格基準の傾向は一様ではなく、特に近年における合格基準の乱れのよって現場に混乱が生じていることは事実です。前回は合格基準の傾向をカテゴライズする取り組みを実施しました。その詳細については前回ブログをご参照ください。↓

社会福祉士国家試験の傾向

合格基準を下記の2傾向にカテゴライズしました。
◆傾向Ⅰ(例年通り):合格率30%前後を基準とする
◆傾向Ⅱ(意図あり):合格基準点90点(得点率60%)を基準とする
今回、傾向Ⅰと傾向Ⅱのパターンを想定して第36回社会福祉士国家試験のボーダーを予想してみます。

傾向Ⅰ(例年通り)のパターン

 合格基準を「合格率30%前後を基準とする」という基準で調整されることになります。つまり、上位3割に入る得点ができていれば合格するということになります。この基準であれば第36回社会福祉士国家試験の難易度を検討する余地があります。例年通りの傾向であり、試験が簡単であった第34回(合格率31.1%・合格基準点105点)と比較して、第36回の難易度はどうであったのかは注目するポイントといえるでしょう。結論から言うと、第36回は第34回と同等程度の難易度か、どちらかと言えば少々簡単であったと評価しています。これを前提するとボーダーラインは105点以上と予想されます。単純に上位3割をボーダーとすれば110点以上になる可能性もあります。しかし、私は105点を上回る合格基準にはしない気がしています。というのは、第34回の試験では合格基準点が唐突に高くなったことに多数の苦情が寄せられたという話を聞きます。大学や専門学校の教員間でもそのような話題がでているので、確証はないものも苦情があったことは事実なんだと推察します。試験センターや試験委員会としても担当した年度に苦情が多発することは避けたいはずです。仮に105点をボーダーすると合格率は30%を大きく上回ると予想していますが、これは第35回の合格率が44.2%であることから急変ではなくなります。また、合格基準として「問題の総得点の60%程度を基準」と公表していることから、苦情が多発した105点よりもさらに60%から遠ざける合格基準点とすることは避けるように思います。以上を総合的に考えると、例年通りであれば、105点をボーダーラインと予想します。

傾向Ⅱ(意図あり)のパターン

 第35回社会福祉士国家試験は、合格基準点が90点(得点率60%)であり公表された基準通りの結果でしたが、合格率が44.2%と異例の高さでした。第36回のボーダー予想をするにあたって、直近の第35回における異例の事態をどのように考えるのかがポイントと言えます。異例の事態となった理由、すなわち試験センターの意図については様々なことが考えられます。王道は単純に公表している合格基準にある「得点率6割」に忠実に従ったと考えることでしょう。一方で、その他の意図としてコロナウイルス対応、新カリキャラムの先行提示、他資格との整合などの噂も耳にします。しかし、今回は王道である"公表基準の順守"という合格基準を前提にして考えていきます。
 まず、公表されている合格基準を確認します。「1.問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。」と公表されています。第35回は90点、つまり「問題の総得点の60%」ぴったりであったので、昨年と同じで第36回も90点なのではという声も耳にします。しかし、後半のフレーズにも注目するべきです。「問題の難易度で補正した点数以上の得点」と記されています。あまり注目されていない部分ですが問題の難易度で補正することも公表しているのです。傾向Ⅰの合格率30%は暗黙の傾向でしたが、6割程度の基準を難易度で補正することは公表されている内容であると再認識できます。傾向Ⅱでは公表されていることに従うという考え方が基本となっています。前述の通り、第36回の難易度は例年と比較して得点しやすい内容でした。従って、90点を上方補正することも順守の範囲内です。以上を総合的に考えると、公表基準を順守するのであれば、95点をボーダーラインと予想します。

第36回社会福祉士国家試験ボーダー予想

 傾向Ⅰと傾向Ⅱのパターンに分けてボーダー予想を行いました。傾向Ⅰでは105点、傾向Ⅱでは95点と予想しました。本ブログで定義した2つの傾向は、考え方が違うので全く別の合格基準と言えます。故に上記2つのボーダー予想点も全くの別物です。別物である2つの予想点の平均値をとることは意味がある行為とはいえないかもしれません。しかし、一定ではない合格基準の下で、社会福祉士国家試験のボーダー予想点を1つだけ提示しなければならないのであれば、平均値をとることも手段として仕方ないと考えることにします。
 結論として、第36回社会福祉士国家試験のボーダーラインを100点と予想します。平均値を取ることで傾向Ⅰと傾向Ⅱのそれぞれから生じる問題点もバランスよく緩和され、国家試験としての目的や公約も果たせるのではないかと考えられたからです。やはり、試験センターが基準点を6割程度と明記して公表しているからには第36回でも105点以上に設定することは考えにくいです。第34回で苦情が多発した事実を考慮すると、試験センターとしても同じミスをするわけにはいかないはずです。一方で、仮に合格基準点を100点とすると、合格率が例年通りの3割から大幅に上昇する見込みとなりますが、最新である第35回が44.2%であったことから既に前例のないことではなくなっています。そもそも、試験センターは合格率については何も言及していないので筋は通る形となります。
 第36回社会福祉国家試験の合格発表日は令和6年3月5日(火)です。多方面で様々な予想が行われていますが、なんだかんだで当日の結果が事実です。第36回の受験生は落ち着かない日々が続くと思います。ここまで読了して100点以上を得点された方がいらっしゃれば、どうか当日まで気軽に過ごしていただければと思います。



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