#245 血糖値高い人は注意! 「教育入院」とは? 糖尿病専門医に聞く

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血糖値高い人は注意! 「教育入院」とは? 糖尿病専門医に聞く

糖尿病の人たちを対象にした「教育入院」なるものがあるそうですが、どのようなものでしょうか。糖尿病専門医に聞きました。

「教育入院」とは?

夏場、アイスや果物、清涼飲料水を大量に取っていると、血糖値が上がり、糖尿病になってしまう恐れもあります。

糖尿病の人たちを対象にした「教育入院」なるものがあるそうですが、どのようなものでしょうか。糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。



糖尿病の知識付け、合併症検査も
Q.教育入院とは何ですか。

市原さん「教育入院とは、患者さんが糖尿病に関する知識を学びながら血糖コントロールを行うことを目的とした入院です。

対象は、糖尿病になったばかりの患者さんや、糖尿病の治療がうまくいっていない患者さんなどさまざまで、医師が判断した場合に入院となります。





治療だけが目的の一般的な入院とは異なり、治療に加え、あらゆる方法で糖尿病の知識を付けることが行われ、合併症の検査も行うのが特徴です。なお、高血圧や腎臓病などの教育入院を行っているところもあるようですが、

一般的に教育入院というと『糖尿病教育入院』の略です」




Q.教育入院の内容について、より具体的に教えてください。

市原さん「具体的には、糖尿病専門医や日本糖尿病療養指導士(看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士)による糖尿病教室が開かれることが多く、そこで、糖尿病とはどんな病気なのか、治療法にはどんなものがあるのか、糖尿病による合併症にはどんなものがあり、それらを予防するにはどうしたらよいかなど、糖尿病全般の勉強をします。



管理栄養士からの栄養指導や、入院中に提供される食事によって、食事療法の大切さを学ぶ機会もあります。

血糖値測定により、実際に食べた食事や行った運動で血糖値がどう変化するかを学べるほか、入院中に合併症の有無を調べる検査を行うことが多いため、自分の合併症の程度を知ることもできます。



また、糖尿病の患者さん同士の交流により、治療へのやる気がアップしたり、お互いの経験を学んだりと、患者さんにとって精神的にプラス面が多いのも特徴です」







Q.教育入院に向いている人、向いていない人はいますか。

市原さん「『糖尿病のことをもっと知りたい』『血糖値を改善したい』という気持ちが強い患者さんは教育入院に向いているでしょう。

入院は集団生活でもあるため、普段昼夜逆転の生活をしている人や、食事の時間を決められるのが嫌な人は向いていないかもしれません。



しかし、治療に抵抗がある患者さんでも、入院してみると気持ちの変化が起こり、治療に積極的になることもあるため、興味があればまず主治医に相談してみましょう。

教育入院というと、厳格な指導や生活改善を強いられることを想像するかもしれませんが、個々の患者さんの生活に合わせた治療や生活指導をする病院が増えています」





Q.教育入院の一般的な期間を教えてください。

市原さん「病院によって異なりますが一般的には1~2週間です。

短いと3日間程度の場合もありますが、教育だけではなく治療もしっかり行うために2週間は必要でしょう」



Q.教育入院にかかる費用はいくらくらいですか。また、保険は適用されますか。

市原さん「教育入院には保険が適用されます。

私の勤務先の関連病院では、2週間前後の入院期間の場合、3割負担で5万~15万円ですが、治療内容や検査内容、病院や保険によっても異なります。

高額療養費制度を利用できるので、心配な方は健康保険組合に事前に相談するとよいでしょう」




Q.どのような病院で教育入院ができますか。医師の指示や紹介状は必要でしょうか。

市原さん「糖尿病内科、内分泌内科のある病院は教育入院を行っていることがほとんどですが、病院によって異なるため、事前に問い合わせましょう。

教育入院の希望があれば、かかりつけの主治医にまず相談してください。

かかりつけでない病院での入院の場合は、紹介状を作成してもらい、その病院でいったん受診する必要があります」






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