#95 戦後の日本を救ったスリランカ大統領

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スリランカと日本。


九州の1.5倍の大きさにして世界遺産が8つ、国土面積では世界2位である。

美しい海に仏教遺跡。知る人ぞ知る観光のメッカが長い眠りから再び目を覚ました。


スリランカが常に登場する「ネタ」が一つある。
日本とスリランカ両国の間にはある強い繋がりがあるということだ。

両国の絆を作った人物は、スリランカ初代大統領になったJ.R.ジャヤワルダナ氏である。

第二次世界大戦後、彼は、1951年サンフランシスコ講和会議で日本の真の自由と独立の支持を訴える名演説を打った。

内容は、各国が日本に戦後の保障問題を考えていた時にスリランカは将来の日本の為にスリーランカは放棄すると言う名演説。


当時はまだ44歳の若き政治家だった。
ニュースウィーク誌はジャヤワルダナ氏のことを「会場の「花形」だった」と伝え、タイム誌は「最も有能なアジアの代弁者」と絶賛した。


ジャヤワルダナ氏は、その後も幾度と日本を訪れており、皇太子ご夫妻(今の天皇皇后両陛下)をはじめ多くの日本人をスリランカに招くなど、精力的に交流を行った。

自他共に認める日本を愛してやまない人であった。
死んだ後もその気持ちは変わることなく、片目の角膜をぜひ日本人に提供してほしいと頼んだ。


おそらく、日本のメディアにおいて、この国を紹介することはほぼ皆無に近かった。

長いブランクを拭い去り、日本人にスリランカに対して瞬間的に親近感を抱いてもらうために、これほど強力な「ネタ」はない。



日本が行った戦争は正しかったのだと、サンフランシスコ講和会議であのようなスピーチを言わしめた日本がすごい」とはならないだろうか。

そうすることで微かにでも暴力を肯定するような思い上がりの気持ちを覚えるのではないか。

確かに、ジャヤワルダナ氏のサンフランシスコ講和会議での演説の中で「西欧列強の中で日本のみが強力な独立国家で、従属民族が日本に対して敬意の念を抱いたことや、戦時中の日本が掲げたアジア共存共栄のスローガンが従属国民の心を動かした…」などの部分が含まれている。

しかし、少なくとも暴力なども伴った日本の歴史の全てを肯定するにあたっての題材として、ジャヤワルダナ氏を活用するには大きな無理がある。



もっとも注目すべきは、ジャヤワルダナは究極の平和主義者であったことである。
サンフランシスコ講和会議のスピーチの中で今でも語り継がれる彼が用いた仏教の言葉に彼の人間としての本質が現われている。


ブッダの言葉であるダッマパーダ(法句経)5を、用いて「Hatred ceases not by hatred but by love (人はただ愛によってのみ憎しみを越えられる。




人は憎しみによっては憎しみを越えられない)の部分こそ彼が生涯一貫して訴え続けたメッセージである。
それを立証するいくつかの彼のメッセージをここで紡ぎたい。



ジャヤワルダナが結婚するまでに過ごしていた家が現在資料館になっている。コロンボに行った際、ぜひ訪れて頂きたい。そこに掲げ ている一際目立つジャヤワルダナの言葉がある。



I do not know why human beings became brutes and kill their fellow beings. After all every human being is either a parent or a mother or child of somebody. (私は、なぜ人間が野蛮になり、仲間を殺すのか理解に苦しんでいる。

結局、全ての人間は、誰かの親か母または子供である。) これは、スリランカ国民に向けて演説中に述べた言葉だが、国内外に起きている争いについて悩んでいることが伝わってくる。



彼の筆跡が日本に残っている場所の一つは、広島原爆記念館である。

ジャヤワルダナ氏がこの世を去る5年前の91年、サンフランシスコ講和会議から数えて40周年の記念の年に仏教関係者の誘いにより日本を訪問した。



広島ドームを見学した際に記帳した言葉の一部をここに引用する。

May the gospel of “ahinsa”, non violence, (中略)help to banish forever from the human mind the desire to kill, harm or in other ways spread the feeling of hatred among human beings. (アヒンサの福音、つまり非暴力が、人を殺したり、傷つけたり、人間同士の憎しみの感情を広めたいという欲望を人間から永久に消し去ってくれますように。)と書いてある。




84歳の老人が原爆資料館で見た原爆直後の街の姿と、彼がその40年前にサンフランシスコ講和会議に向かう途中、訪れ、数日過ごした終戦直後の日本の悲惨な情景と重ね合わせたに違いない。



ジャヤワルダナ氏は、原爆記念館を訪問した後、犠牲者の碑に献花し手を合わせた。最後に、広島を離れる前に日本のメディアに向けて発したメッセージの映像が残っている。


「people must give up violence between nations.人々は、国家間の暴力を止めなければならない」ゆっくり、はっきり、そして力強い言葉で日本に、世界にそう伝えている。


日本の恩人であるスリランカ初代大統領J.R.ジャヤワルダナが残したこれら数々の真理を突いた金言。風化することなく永遠に一人一人が強く心に刻み国家の礎に置く必要があるのではないだろうか。


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