オーナー様の頭の中のほとんどは、「どうしたら売上をアップできるか」や「どうしたら利益向上できるか」なのではないでしょうか。
今も昔もオーナー様は、会社の全責任を負っていますので自身のご家族だけではなく、会社に勤務する従業員の家族の生活まで背負っています。
ですので、日々の会社経営において、事業承継や相続について考えることがほぼないのは無理ありません。
私自身、日々お会いするオーナー様も、皆自身の「(社長業の/生命の)終わり」については考えたくないという方々がたくさんいらっしゃいます。
ですが、事業承継や相続について考えることを後回しにすることが、会社経営を継続していく上で本当に良いことでしょうか。
日々の売上や利益のことを後回しにしていいというわけではありませんが、事業の継続を第一に考えるのであれば、事業承継や相続について考えることも決して無駄なことではないと思っています。
私がお会いしたオーナー様の中には、何も相続対策をしない状態でオーナーのが逝去したことによって多額の相続税負担が発生してしまった会社もありました。その会社は法人の金融資産を使ってオーナー家の相続税を肩代わりしていましたが、本当にそれで良いでしょうか。
しっかりと生前のうちに対策をとっておけば、相続税の支払いに充てた法人の金融資産は事業への新規投資に使えたのではないでしょうか。
自身で保有している株式の評価や対策などを生前のうちにしっかりと対応していれば会社の経営に影響を与えるようなことはなかったのではないかと思えるような法人も中にはあります。
オーナー様が自身の事業承継や相続のことを考えるのは、決して後ろ向きなことではなく、結果としてオーナー様が今まで築き上げてきた会社を守ることに直結するものではないかと考えています。
1人でも多くのオーナー様がしっかりとご自身の相続や事業承継に向き合って、今後の事業の発展につなげていただけることを祈っています。