異性の幼馴染と42年の歴史、そして今伝えること

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大樹(仮名)は今大会社の社長 

私はずっと営業職


42年間一度も恋愛感情をいただいたことはない 共通の友達もいない

だけど大樹は私の人生に欠かせない家族のような存在で今まで生きてきた

一つだけ大きなことがあったのは、大樹が「今の彼女と結婚する」と言ってきたことだ。



大樹との出会いは42年前、クラスの同級生だった。

でも子供のころ私は学校で一番のいじめられっこで一度も友達ができたことがなかった。

授業中に、手紙が回ってきて、返事を書かないと放課後呼び出されてグループにぼこぼこにされるので、授業に参加したことはなかった。

朝学校に行くと、椅子に大量のがびょうがちりばめられていた。

黒板に、お前気持ち悪い と書かれた

クラスは全員、私の1m以内に近づかないように避けて歩いた。

先生は見て見ぬふりだった。むしろ、先生がいじめの種を作ったこともあるくらいだった。


私は我慢強かったし、死のうとすると、年の離れた妹の顔が浮かんで何度も飛び降りることをやめた。
毎日が「今日も私、生きているんだ」と思いながら、ただ手のしわを見つめたり、時々息を止めたりしながら、日々を過ごした。

あのいじめ体験がなく、授業も参加して、友達と普通にすごす普通の子供時代を経験したかった。
でも自分で変えられるのは未来だけ。過去は変えられない。

一生の傷を負った。



でも運命とは不思議なもので。
大樹は、そのいじめの主犯格だった。
それなのに、中学を卒業した後からの40年間、私が生きてこられたのは、紛れもなく大樹がいたからだ。
前世というものがあれば、間違いなく大樹は家族だったはずだとさえ思う。



その大樹が経営者となり、結婚する。


大樹についてきてくれたすべての人に、母親のように感謝したい気持ちだ。

再来月、大樹が彼女を私に紹介しにくる。

私は彼女になんていうんだろう。ありがたくて涙が出そうだ。


また続きは次回。


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