意識の深淵から

地球と宇宙からの愛を感じるには、イージーなハッピー幻想では無理だと思います。個人差のある事ですが、私の場合はその前段階として、深い悲しみがありました。生きていくことの悲しみ。他の動植物を殺めて食さなければ生きていけない業、自分の我を通すには他人を蹴倒さなくてはならない業、自分が好きになった人が必ずしも自分のものになるとは限らない切なさ……。愛するものともいつかは必ず死に別れるという法。

これらの悲しみがまずあって、それが突き抜けた時にハートで地球の無条件の愛と宇宙の懐の深さを知るのです。地球は言います。

「良いんだよ、貴方はそのままでいい、私はそんな貴方を引き受けたのだから。私の上で生きていくことを認めたのだから。だから貴方はこの私、地球の上に存在している」

そんな地球の声が聞こえると、ハートが開いて宇宙に出ます。宇宙は広大な空間を見せて言います。

「御覧なさい、この広がりを。感じてください、この深さを。私の深淵に比べたら、貴方の悩みなど小さなものです。小さな殻に閉じこもっていないで、自由にこの広い世界を探索してください。魂は永遠です。貴方のハートはいつも私に繋がっています」

これらの囁きに対する絶対的な信頼を持った時、初めて人は愛を知ります。ハートの愛の深さは、地上的なラッキーや幸福の(もちろんそれも素晴らしいですが)はるか彼方を行きます。ハートとはまさに宇宙の深淵への扉なのです。