「四たび、円安について」

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 本日5/29〈日)産経新聞5面「日曜経済講座」で、「円安に甘え弱まった日本経済力/”安いニッポン”の犯人は日銀か」という記事に同感だ。
 記事の中身的には、金融、金利情勢上日銀の政策が変わらない限り円安は当然だが、現今の円安は、経済界は「過去の円高で生産拠点を国内から海外に移しており、輸出によるメリットは昔ほどない。むしろ輸入資源の高騰などで日本経済にはダメージがある」(川崎重工金花芳則会長)と不安の声がある、もっともリーマン後そして大震災後円高になったときは円安と騒いだのは他ならぬ経済界で、その後円安になったが成長投資も成長戦略もそして賃上げすら無く円安による利益だけをただ貪ったではないか、ということを書いている。
 まさに同感とする所以である。
 ここにわざわざ記事としても、本欄としても川崎重工業の金花会長の名前を具体的に引用したのは意識的である。もちろん愚かな経営者だったのは彼だけではないが、当然責めを負うべき立場の人であるからだ。
 これまでも再々に渡って論じてきているが、経済界は、すなわち経営トップ層のことをもちろん名指ししているつもりだが、もうそろそろ小手先の、保身のみを考えた数字づくりに決別し、本当に社員と一体となって成長戦略を実施すべきである。その実行に、この円安状況はまたとないチャンスであるというのはこれまでも本欄で繰り返し述べてきた。国内投資と賃上げとを両輪に各社の特色ある成長戦略をビジョンアップし、従業員に呼びかけ、共に必死になって実行していく、これこそが今経営トップに求められるものである。
 経営トップという立場は、成功報酬ではなく、将来への重い責任なのである。
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