そういうわけで「ホテルマン」を退職してしまったため
必然的に「披露宴司会者」の道は閉ざされてしまいました
実はこの時期結婚が決まっていて新居のアパートも契約済みだったのでした
当たり前のことですが生活を支える為には働かなくてはなりません
正直なんでも良いから働こうと焦ります
新聞に挟まっていた求人情報紙をむさぼるように見ます
その新居用アパートは駅からバスに乗って10分
バス停からは徒歩5分といった不便なところだったのです
なぜかというと安かったからです
「近所で働きたい」と思ったのは通勤が面倒くさかったのです
転職を繰り返す自分にも辟易し始めていました
25歳に近づいていた私は少々人生に疲れ始めてきたのかもしれません
当時の求人紙は3枚ほど折り込まれていて
ざっと100種類くらいの求人情報が掲載されていました
その中から同じ町名つまりは歩いて通勤できる職を探していたのです
何をやってもそこそこ出来る
不思議な自信みたいなものが生まれ育ってしまっていました
ありました
同じ町の同じ丁目
「ここだ」と思いました
電話連絡のうえ約束の時間に履歴書を持ってテクテク歩いて面接へ
希望通り徒歩5分で会社に着きました
会社と言っても1階は店舗になっていました
「何の会社だろう」
場所だけで決めているのでどんな会社なのかは全く解らないままの面接でした