いろは言葉・は「派遣社員」

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私が初めて派遣社員という立場を経験したのは20代半ばの頃でした。
その頃は今ほど派遣会社も多くなかったと思いますが、今では3万8千カ所以上の派遣会社の事業所があるそうです。
派遣社員として働く理由は人それぞれかと思いますが、派遣社員をどうとらえているかも会社によってまちまちだというのが、何社か派遣社員を経験した私の印象です。
今回は私が直近5年間で経験した3つの会社・ABCについてお話したいと思います。

A社は大手共済組合でした。
私が配属されたのは研修担当部署で業務内容は
・研修対象者を職員名簿からExcelの関数を使って抽出し、名簿を作ること
・研修資料を印刷して、他の必要な物品とともに研修場所へ発送すること
・研修でとった紙のアンケートをまとめのファイルに入力すること
などでした。
こちらの組合には各部署に1名か2名の派遣社員が働いていましたが、組合全体の考え方として感じたのは、派遣社員はあくまでも職員の黒子役という位置づけであることでした。
私がやっていた業務は研修関係なので、他部署とのやりとりが伴うイメージかと思いますが、実際は、他部署との調整はすべて職員がやり、私は自分の部署の職員の指示のみで動く、ということでした。
そこには1年半いましたが、部署の中のみで仕事をすることに閉塞感を感じはじめたので、更新時期を機に辞めました。

B社は大手エネルギー会社の研究所で、ここは自宅から自転車で行けるという理由だけで選びました。
元々忙しくない部署と聞いて働き始めましたが、予想以上に仕事が少なく、ひどい時には午前中だけで仕事が終わってしまう、というようなときもありました。
1年ほどたった頃に、今回の更新が最後で次回はありません、と言われました。
本社から人が来て人員が足りるようになった場合は更新がない可能性もある、と聞いていたので、それ自体に異議はなく、あと3か月で派遣が終わるということが決まりました。
すると、少し前に本社から来た社員の女子が、私が担当していた仕事を早く自分に引き継げと言ってきました。
私は契約期間中は自分の担当の仕事はそのままやろうと思っていましたが、その女子にせがまれた課長もすぐに仕事を引き継ぐように言ってきたので、もう自分がここにいる必要はないと判断し、そこを早々に去ることを決めました。
派遣会社に事情を話して、契約満了を待たずに残りの有休をとったらすぐに派遣を終了したいという旨を通達して、2週間後にはその会社を後にしました。

C社は主に不動産業をやっている会社で、私は賃貸の部屋の管理をしている部署に派遣されました。この会社との出会いは私にとっては転機になる出来事でした。
賃貸管理という細かい業務が性に合い、また、事務職経験がある社員が少なかったことからそのスキルが評価されて、半年を過ぎた頃には社員にならないかと誘っていただきました。
しかし、派遣社員を直接雇用するには50万円以上の紹介料を派遣先の会社から派遣元の会社に支払わなければならないこともあり、すぐに社員になるのは難しいことがわかりました。
そこで私は直接業務提携しませんか?ともちかけ、それなら直接雇用に当たらないからと派遣先の会社も了解してくれて、現在は業務委託という形で派遣社員の時よりも好条件で同じ会社で働き続けています。

以上のように一口に派遣社員といっても条件や扱いはさまざまです。
派遣社員については先ほど触れたような直接雇用の際の紹介料の問題や、「派遣の3年縛り」と言われる誰のためかわからなくなっているルールなどもあります。
待遇についてはまだまだ課題も多いですが、自分の中でしっかりと軸をもって選択肢の一つとして考える分にはよいと思います。

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