電車内での、とある出来事。気付くべきことに、気付けてる?

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ご覧いただきありがとうございます。
精神科病院で働く相談員のottohと申します。

今朝の通勤時、ふと疑問に思いました。

「白い杖を持って電車に乗っている人。この人が目が見えない事を、どれくらいの人が知っているんだろう…?」

今朝の通勤時、電車内に胸に白杖を抱え、電車に立っている方がいたんです。
顔面にスマホを近づけながら何やら見ていたので、全盲の方ではないようです。
車内の壁に寄りかかってはいましたが、電車が揺れるとふらつきます。

私:「だいぶ混んできました。もしよければ、席を代わってもらえるように言いましょうか?」
白杖の方:「いえ、本当に大丈夫です。」
私:「あの、何かお手伝いが必要なら言ってください。」
白杖の方:「ありがとうございます。」

時間にして数秒間、このようなやりとりがありました。
(私の声掛けが適切かどうかは、今回はスルーしてください)

電車内には「手すりや吊革につかまって…」というアナウンスが流れます。
そこで、冒頭の疑問。
「白い杖を持って電車に乗っている人。この人が目が見えない事を、どれくらいの人が知っているんだろう…?」

いや、でも白杖を持つくらいだから、手すりや吊革が見えないんじゃない?
この満員電車の中で、白杖を持っている人の視覚に障害がある事を知っている人はどれくらいいるんだろう?
そう言えば…白杖もヘルプマークもマタニティマークも、学校で習った覚えがないゾ…(今はどうかは分かりませんが)。

優先席付近なら、声の掛け合い、席の譲り合いも起こりやすいでしょう。
でも、周りが見えない(見えづらい)方にとっては特に、優先席付近にたどり着くのも一苦労。
しかたなく一般席付近に立ったとしても、手すりや吊革がどこにあるのかが見えないと、掴まりようがありません。

私も日々けっこう周囲には配慮しているつもりですが、このような場面は、自分が気付いていないだけで結構多く発生しているのかも知れません。
視覚障害者が手すりや吊革が見えない(見えづらい)のは当然の事ですが、当然すぎて逆に見落とされてはいないでしょうか?

大丈夫だと言っているのに無理矢理座らせようとするのも、単なるお節介であって、配慮ではありませんが。

「譲り合いましょう」とは言われますが、ヘルプを必要している人はどのような特徴があるのか、とか、どういった声掛けをすればいいか、といったことが社会マナーとしてもっと教育されなきゃね、と思った出来事でした。
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