がんの家族によりそう「傾聴のコツ」

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コラム
家族が”がん”と診断されたとき、何をどう話していいかわからなくなることがあります。

そばにいることが大事。

「空車のタクシー」モードが最高です。
だまってよりそっているよ。
お手伝いが必要な時はいつでも乗ってね!一緒にすすもう!


そして役に立つのが『傾聴』💛


『話を聴いてもらう』=傾聴の3つの価値

①話をすることで自分の考えを整理できる
②受け入れてもらえていることで安心感がひろがってくる
③解決策を考えられる

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①話をすることで自分の考えを整理できる

なんとなくもやもやしているとき、話をきいてもらいたくなります。好き勝手なことを話しするだけ。何も解決もしていないのに気持ちはスッキリした経験はありませんか?
話をしているうちに「たいした問題じゃないや」と思えたり「まぁいいか」と思えたり・・・つまり自分の中で整理されてくるのです。

苦しい時、混乱しているとき、悲しい時も聴いてほしいという衝動がわきおこってきます。何を話していいかもわからない。
そんなときはとにかく話して聴いてもらう。
気がつくと何度も同じことを話していて、理路整然としていない。
それでいいのです。
同じことを繰り返し話すことは、自分自身にも問いかけています。やがて自分でも混乱を整理して理解することにつながります。

何度も同じ話をすることにも意味がある!


②受け入れてもらえている=安心感

人間のような弱い動物は一人では生きていくことができません。
仲間に受け入れられて一緒にいることで敵から身を守れる。そんな動物的本能があります。

だから、
”ただひたすら聴いてもらえたとき”(意見を言わず、批判しないで聴いてもらえた時)「自分という存在は受けいれられた」という深い安心感が生まれます。

解決がほしいのではなくて、安心感がほしい時が実は多いのです。

逆に言えば、安心したら解決しなくてもよくなった。ということは日常にも多いのではないでしょうか

*解決策を提示されただけでは、納得できない時があるのは”受け入れてもらえた安心感”が不足しているのかも


③解決策を考えられるようになる

話を聴いてくれる相手から、自分では気がつかなかった新たな視点の解決策をもらえる場合があります。
味方になってくれる仲間が増えたら素晴らしい。

たとえばがんの診断を受けたときなどなど大変な状況になっても、混乱を整理して安心感を得ることができたら自分自身が落ち着いて解決策、課題に前向きに取り組む方法を考えることができるようになります。

話をしている中で、仕事のことが心配とわかったら誰に相談するか具体的に考えて動くことができます。抗がん剤の脱毛の心配が大きいとわかったらウィッグを準備することで気持ちが前向きになることもあります。



家族が気をつけること

”しっかり聴く”ということをしないでいきなり解決策を提示しないことは大切

もしも相手の方が話を聞いてくれなくて「こうしたらいい」と、ただ解決策を提示されたらどうでしょう?
”自分という存在を受け入れてもらえた”という安心感は得られません。
不安なまま。
自分自身が納得していないので良い解決策であっても受け入れることができません。
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あたたかな傾聴のコツ


①傾聴する態度 うなずきとあいづち ・・・深く・ゆっくり・大きめにうなずくのがポイント (1~2回練習してみることをおすすめします)
②オウム返し ポイントとなる内容の相手の言葉を繰り返す (繰り返しすぎはNGです)
③共感のことば(気持ちをくみ取る) 「それはつらかったね・・・」「嫌だったね」

共感してもらえたほっこり感は、”もやもや”から”安心感”に変わり、次の行動に進む気持ちがほんわりわいてくる😊


話を聴く方が疲れるのはなぜ?

ひたすら相手を受け入れて話を聴くと疲れます。なぜでしょう。
話を聴いているうちに、「解決策を提示しなくちゃ」「あの人のこの考えは納得できない」「なんで同じことを何回も言うんだろう」と自分の頭の中に次々と考えが浮かんでくるのに、じっと聴かなくちゃいけない⇒実は大変なストレスです


*「解決策を提示しなくちゃ」と考えるのを一時ストップしましょう。まずは聴くだけでじゅうぶんです。事実と気持ちを聴くことに専念する。


*相手の考えに納得できないところがあるのはしばしばです。それなのに、肯定するなんてできません。こう考えたらいかがでしょうか⇒心の中で「あなたはそう思うのね」と思う。そういう気持ちでうなずく。


*同じことを何度も聞くとイライラしてくる⇒同じことを何度も言うことにも意味がある。「内容ではなく気持ちを聴いてもらうことを欲しがっている」と考えで聴くのも一つの方法です。

深刻な問題で苦しんでいる人、悲しい人、混乱している人の話を聴く場合は、時間的にも精神的にも負担の大きい作業です。プロでも何時間もいちどに聞けません。家族でも時間を区切る、時には専門家の助けを得ることも大切


 まとめ

傾聴を真剣に学ぶと膨大な勉強と練習が必要ですが、
難しく考えすぎないで
家族や友人間の日常コミュニケーションで次の2点をおりまぜてコミュニケーションをほっこり深めてみてはいかがでしょうか
①深く・ゆっくり・大きくうなずく
②共感の言葉をそえる
これだけで驚くほど違います。

もう少し深めたいとき、おすすめの資料とサイト

がんの方の傾聴
平成24年度 厚生労働省委託事業 がん総合相談に携わる者に対する研修プログラム策定事業 『研修テキスト がんピアサポーター編 ~これからピアサポートをはじめる人へ~』
傾聴中心にまとめられているわけではありませんが、傾聴のコツが示されています。がんサバイバー同士の会話にも役立つ内容なので、おススメです

だれでも使えるメンタルヘルスのサイト
厚生労働省「こころの耳」
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『こころの耳』の製作にたずさわる方は心の声を聴く仕事に熱心に取り組んでおられる方でした。信頼できるサイトの一つです。困ったときの相談先として活用おすすめです!

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