人生を変えた男 秀ちゃん

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コラム

歯科技工士学校でロストワックスによるFCKのワックスアップ(ロウで歯の形を彫刻)をしているときだった。
隣の席に座っている、秀ちゃんは、手先が器用で頭がいい、歯の形はつくる人によってすべて違う。
私はワックスで歯の形を作った。
一時間以内に歯を一本完成させて提出する課題だ、
秀ちゃん、右下6番こんなでいいかな、バイト(かみ合わせ)高いかな

秀ちゃんは答えた、「いいんだよ、適当でいいんだよ、こんなの一生懸命やっても誰も見ていないし、作ってだせばそれでおわりだよ」

40年経った今でも忘れない衝撃の言葉だった。
「そうだよね、適当でいいよね」
それから、頭の中に適当という文字が焼き付いた。
困ったときも悩まなくなった。
細かい事も気にならなくなった。
正確な答えなどどうでも良くなった。
秀ちゃんは楽天家だ。
しかし小糸先生にそう言われたから、楽天家の振りをしているのかもしれなかった。
それでも面白い、すべてを受け止める力を持っている。
ダメなときは逃げ出す勇気も持っている。
仕事は真面目で最後まで遣りきる信用もある。
天才秀ちゃんは今、病気療養中です。
健康回復を祈る。

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