同棲時代パート3

記事
コラム
 70年代のこの頃は、学生運動もそろそろ終わりを告げ、みんながやさしさを追い求めるようになりました。同棲ブームというのも変な表現ですが、例えば歌の世界でも、かぐや姫の「神田川」、野口五郎「甘い生活」「私鉄沿線」、加藤登紀子「愛のくらし」、吉田拓郎「りんご」など、同棲をテーマにした歌が次々ヒットしました。
    布施明「積木の部屋」
いつのまにか君と 暮らし始めていた
西日だけが入る 狭い部屋で二人
君にできることは ボタン付けとそうじ
だけど 満ち足りていた
やりきれぬ淋しさも愚痴も
お互いのぬくもりで消した
もしもどちらか もっと強い気持ちでいたら
愛は続いていたのか
りんごかじりながら 語り明かしたよね
愛は あれからどこへ

 軽い気持ちで始まった愛のくらしは、長く続くことはありません、歌の世界のような甘い生活ではなく、例えばお金のことや些細な問題で、けんかばかりするようになったりします。そういうことで悲惨な別れを迎えた友だちもおりました。しかし動機が簡単で軽はずみだったとは言え、愛というものへの向き合い方は真剣でした。それゆえにこそ、些細なことで傷つけ合い、タンタロスの苦しみに悶え苦しむことになっていったのです。




サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す