⚧🌈🏳️‍🌈😰🤜🤪👿👹👉「令和水滸伝」~嫌なことばっかり、そうだ国をつくり直そう!☆76【仲間の輪21】「自供拘留期限との闘い?」

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☆76【仲間の輪21】「自供拘留期限との闘い?」

 ルカ達は龍馬(タツマ)朱里(シュリ)の養子の手続きしていると、
そこに梅田から連絡があり、
 「証人聴取ですか?」
 「風間さん、すみません。それもありますが、
お力を貸してもらえませんか?黙秘したままで自白しないんですよ」

 「分かりました。伺いますが、母親や犯人と龍馬君達との
親子鑑定はお済みですか?」
 「あぁ、はい。それ重要なんですね。殺そうとしてましたしね」
 「・・・まだ、全部分かってないと何とも言えませんが、
鍵になるかも知れません」
 「後、皆さんが働きやすいようにしませんか?
もし、賛同していただけるならご協力を」
  「あ・はい・・・?」

 「青君とタカちゃんは龍馬君達をお願い、私は照ちゃんと
あの警官の市・・イッチ―にも同行してもらって警察に行くワ。
 署長に連絡してデジタルボードや医療機材も入れさせようかな。
 前から考えていたんだけど、ちょっと面白い事実験しようかと思って」
  「出た!実験癖、だけどルカさん本当の事件だし、それはどうかな?」
  「実験癖?」
 横で尊人に耳打ちするように照子が説明している。

 「でもね。うまくいけば取り調べや捜査の無駄が省けるし、
えん罪も防げて、やってた場合の被疑者の反省も促せる。一石四鳥だよ」
  「だけど、殺人と殺人未遂ですからね。そ
れに拘留期限も迫っているんでしょ」
  「だからチャンスなのよ」

  「同行って、取り逃がしかけた市川純太さんですね。
もうニックネーム付けたんですか?本人は諸々了解してるんですか?
彼をどうするんです?」
 「うん、どっちにしろ取り逃がしかけた件でも呼び出されているみたいだし、彼に取り調べやってもらおうかと思って」
 「刑事や警察は ”威信”だのと言ってプライドや縄張り意識が強いんですよ。
 そんなの所が、取り逃がしかけた警官に取り調べさせたり、
デジタルボード入れさせますかね」

  「確かにそうだけど、その分、彼らは強い者や権力的な
地位の高い者には弱いから、
それにイッチ―は共感性に優れ、コミュ力が高いので情報収集能力もあるし、記憶力もある。
 人には職の向き不向きがあるから、その能力を使わない手はない。
 警察がそれを活かせないなら、調べて欲しい事があるから
うちで雇いたいくらい。

 そもそも、自分の保身プライドで『縄張りだ、縦割りだ』と
優先しているから不祥事は無くならないし、迅速的確に進めず、
期限ギリギリのこんなことになる。
 ならばそれを逆手にとって権力的な地位の高い側を動かし、
彼らより強い者として四の五の言ったら軽く圧力かけるから大丈夫。
本当の力とはこういう風に使うと教えてあげます」

 「警察への同行は尊人君じゃなくていいんですか?」
 「タカちゃんだと読心能力的にはいいけど、男女のどろどろや
刺激強過ぎだから」
 「それもそうですね。青也さんは?」
 「龍馬君と朱里ちゃんの養子手続き上、どっちかがいないとね」
 「そうですね。私でいいなら足手まといにならないように頑張ります」
 「照ちゃんなら大丈夫!」

 青也と尊人を龍馬達のもとに残し、照子とルカが警察署に出向くが、
ルカは警官の市川の同席も希望した。
 応接室で川野署長、笹田刑事部長、今村主任らと名刺交換し、
ルカ、照子、市川は、梅田から説明を受ける。

 「どういう見立て、筋読みですか?」
 「それが黙秘で”見立て”もしっくり出来上がらなくて、
 分かったのは、自殺殺人まだ、未定の不審死の
長岡麻里子(ナガオカマリコ)34歳、
両親は麻里子が18歳の時に借金苦で心中してますね」
 「近親者無しですものね。気の毒に私達と同じぐらいなのにね」
  「そうですか、同じ年代ですか」
 「気にせず進めて」

 「失礼しました。龍馬(タツマ)君5歳、朱里(シュリ)ちゃん3歳実子。
 被疑者、西塚永次42歳市議会議員で妻と子供1人、
西塚の実家は名士三代続く市議」
  「麻里子さんとの愛人関係?奥さんは気づいてましたか?」
  「気づいていたようです。筋読みとしてはその関係の清算のモメの果て」

  「それにしては子供まで手に掛けようとしますかね。
それに清算も女性側からか、男性側からかで違ってきますよね」
 「そうか、奥さんにバレて仕事の体面上から男性から清算を切りだして
女性が嫌がり殺害だと計画的、女性側が切り出したなら円満に分かれる?
それでも関係を続けたがってモメて殺害だと突発的?」
  「ロープは家の物でしたか?」 
 「丈夫なロープで家には無いようだから計画的?」

 「龍馬君達との親子関係はなかったのですね。連れ子ですか?」
  「それがはっきりせず、 殺すつもりがあったのか?なかったのか?
計画的だったのか?それもこれも曖昧で、
とにかく何もしゃべらないんで困ってます」

 「子供らと西塚との仲は?」
 「近所の証言では、以前は仲が良かったようですが、
ある時から急に DV が」
 「そこに何か鍵があるかも知れませんね」

  「彼女はどうでしたか?」
  「ホステス業を最近辞めています」
   「で、なにをしようと?他の男性関係は?」
   「そこまでは まだ、分かりません。手切れ金や何か西塚の弱みで
ゆする気だったのか?」

 そこに市川が、
 「西塚って自文党系の議員でしたよね。この長岡らしき女性が
支部に入るの見かけました」
 「自文党支部に?」
 「それが改新党支部にも行ってたみたいで」
 「なんで、それ言わないんだよ」

 「刑事じゃないし、聞かれなかったんで」
 「お前なあ!」
 「まあまあ、情報収集共有は大事ですよ」

 「だいぶ見えてきましたね。推察するとこの西塚と言う人は
あまり能力は感じられないがプライドは高い。
 子供と仕事の件でプライドを傷つけられ、怒り的な感情が切っ掛けで
引き起こされたとした時、事象がそれに当てはまるかですね。
 この取調べと言うか事情聴取をイッチじゃない市川君に
させてみてはどうですか?」

 笹田刑事部長が
   「市川は警官ですし、犯人を取り逃がしかけてダメですよ。
それでなくても部外者も入って情報が洩れても困るのに」

 「それ私達のことですか?よく漏れを理由にされますが、
私らや市川君がいようがいまいが情報が漏れることは有り、
得てしてそれは部外者云々よりそうでない所、
特に危機感のない中枢上層部が多く、どんな不祥事・不正・事件も
データを取り精査、注意喚起のための総括、
場合によっては抑止の為の公表公開すべきなのになされていますか?
 今それをおっしゃったのだから、あなたは率先して
その予防対策を行っているのですよね。見せていただけますか?

 そもそも総理政府・法律省・国家からして、
国民の財産ともいえる公文章公記録を簡単に改ざん・廃棄するなど
扱いが雑で、なんでこういう時だけ漏れを理由にするのですか?
 お答え願えますか?」

 キレ加減のルカを制して照子が、
 「漏れることを気にするより、犯人が捕まらないとか?自供しないのと、
上手くいくのとどっちがいいですか?期限も迫っているのでしょう。
 今どき机バンバン叩いたり、泣き落としは通用しませんし、
あんまりやると人権的に問題で逆に裁判で不利になりますよね
《ルカさん攻撃私がなだめ、私達の方が刑事コンビみたい》」

 梅田と署長から
 「笹田刑事部長、風間監察官と風間道場の風間さんですよ」
 「笹田君、あまり失礼のないように」

 黙る笹田刑事部長に照子とルカが追い打ちをかけるように、

 「笹田刑事部長さん、  権威だとか保守的や固定観念にこだわりますと、
着眼点がズレやすくなって成功するものも成功しませんし、
保守的過ぎて否定的になると周りから嫌われ、協力や情報が得られず
失敗する確率が高いです」

 「子供達が死にかけ人1人が亡くなった根本点は、なぜこれが起きたのか?とその証拠、こう言う事を起こさない為にどうするのか?
 それが分からないと再発防止できず、あなたの手柄、
F市警察の権威どころか地域の評判に関わりますし、
裁判でも相手にそこを追及され負け兼ねません」
 「権威や今迄のやり方よりも長岡麻里子さん、龍馬君、朱里ちゃんの尊厳が掛っているのですよ」

 ルカと照子の舌鋒(ゼッポウ)にタジタジの笹田、
 「は、はい」
 「彼を推薦したのは情報収集能力・記憶力・共感性に優れ、
人当たりが良くカウンセリングに向いていますし、
取り調べられる側も今迄の方々には免疫がありますが、
全く違うタイプにアプローチさせると
相手のペースが崩せるのでないですか?」
  「市川さんのこの能力をお使いになりたくないとおっしゃるなら
風間家に頂きますけど」
 「拘留期限も迫っているのでしょう、手柄に繋がるのと
失敗して汚点になるのとどっちがいいですか?
 子供達も助かったし、私達はどっちでもいいですよ」

 笹田はへし折れ市川と梅田が取り調べに当たる事になり、
  「つきましては取り調べにあたりご用意したものがあります。
搬入してもいいですか?」
  「エッ、イヤ私は何も・・・」
  「署長伝えてないのですか?」

  「い・いや、言ったじゃないか笹田君」
  「エッ、はい、分かりました」
 ルカ、照子、市川、梅田が顔を見合わせ、
  「青君の連絡ギリ間に合ったみたいね」
 照子が窓から顔を出し
 「北村さん、搬入指示お願いします」
  「は~い」

 秘密兵器が運ばれ、驚く笹田、
 「な、何ですか?これは!?!」
  「デジタルボードは取り調べ1号室と捜査会議室に、
脳波と心電計、発汗測定器、インカムとの通信機材は0号の調べ室に運んで」

  「笹田刑事部長さん、今どきは医療・科学とデジタル時代ですよ。
それに可視化でしょ」  
 「無駄な時間と労力を減らす。いわゆるタイパとコスパをお教えします。
 今どきはどこでもとハラスメントや労働時間は煩いですし、
それが改善されないと益々人材が入らず人手不足になりますからね。
 捜査会議室と連動しているので、裁判で使うポイント、
証拠と思われるものをチェックしたら
タイパになるので同時に捜査、収集して下さい」

 「このデジタルボードは最後に繰り出す秘密兵器で、
実験とデモンストレーション用ですが、川野署長よろしいですよね」
 「え、は・はい?」
 「大丈夫ですよ。うまくいったら、いえ、うまくいきますので 
そうなれば人材不足に一石、時短のタイパ、日本初のデジタル捜査とか、
デジタル取調べと言われ、もてはやされる・・・かも知れません」

   納得した署長たちをさておき、ルカは市川に
 「イッチーはコミュ力とその記憶、情報力を使って臨機応変にやって、
補足と注意すべき点は指示するので、OKならノックペンを2回つついて、
NOやもう少し追及したい場合は机を軽く(こんな風に)叩いて、
伝令や何か伝えたい事があったら梅田さんか、
イッチ―が直接こっちに来て、その方が西塚氏が不安になる」
 「了解しました」

 市川にはインカムでこちらから指示がいくようにして、
西塚を取調室に入れ、
 「本日西塚さんを担当する市川です。よろしくお願いします。
その前にちょっと失礼しますね」
 そう言うと梅田は暴れださないように側に付き、
市川は西塚にアクティブウォッチと脳波計のヘッドカバーを付け始める。

 「な・何だこれは?」
   ルカは、笹田に
 「もう、黙秘が解けましたよ」

   「すみませんねェ。最近取り調べ中に体調を崩される方もいるので、
体調管理上と虚偽を防止に付けてもらおうかと言う事になりまして、
頭痛や体調の異変があったら直ぐに言って下さいね。ちゃんと眠れましたか?食事はとれてますか?」

 「・・・」
 0号室で
 「政治家だから黙秘で時間切れを狙っているんですかね」
 「そこまでキレ者とは思えませんが、どうしていいか分からないのでは
ないでしょうか?揺さぶってみましょう。 
イッチ、子供の件持ち出して似てないとか揺さぶって」
 ペンを2回トントンOK合図

 「お子さんの事聞かれませんけど心配じゃないんですか?」
 優しい感じが一変し、市川の表情が冷たく、嫌味のように
 「やはり子供さんも一緒に殺そうとしたんですか?
西塚さんに似てないですものね。自分の子供じゃないから殺すと?」
 「違う・・違う、そんなんじゃない!!」

  0号室の脳波と心電計発汗計の針が大きく動き、
会議室のデジタルボードにその模様がリアルタイムに映し出され、
被疑者が反応したところが分かるようになっている。
 「喰いつきましたね」
  「すごい、ゲロし始めた」
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