‍⚧🌈🏳️😨🤜🤪👿👹👉「令和水滸伝」~嫌なことばっかり、そうだ国をつくり直そう!☆74【仲間の輪19】「F市の悲劇、子らの受難」

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☆74【仲間の輪19】「F市の悲惨、子ら受難」

 ルカはホテルに戻って照子と青也に詳しく報告、
  「内容は聞いていました。いい子みたいで良かったですね。
僕達も賛成です」
  「弟が出来るんですか。早く尊人君に会いたいです」
  「タカちゃんね。気象予報士の資格も持っているの、
頭もいいし良い子だよ」
 「もうニックネーム付けたんですね」
 「気象予報士すごいじゃないですか、天気予報できますね」

 「なるほど・・それにしても”A市の町興し提案”のプレゼン成功
おめでとう。祝杯あげなきゃ」
 「議会もあるのでまだ、道半ばですね。
それにF市の刑務所内の居住就労の件と
D市のコンテナ工場件もありますしね」
  「それは明日から手分けしてやろうか」
 「ルカさんは尊人君の件もあるのでしょ」
 「あっ、そうだった」

 尊人の養子の件、D市、F市の件もトントン拍子に進み、
最後の調整にF市の市役所で合流することにした。

 「青君先に市役所に行っていて、こっち片付け次第照ちゃんと
タカちゃんとそっちに向かうから」
 「分かった。向こうで待ってます」

 ルカと照子、尊人は駅に着き、役所行のバス乗り場まで歩いていると、
急に尊人が
 「子供の声がする」
 「エッ??」
 「・・なんか、かすかに『助けて』って」
 「そりゃ大変どっち?」

 尊人を先頭に3人は声がするという方向に急ぐ。
 「どこ?」
  「・・・あのアパートの・・・2階の・・右から2番目の部屋?
・・声が途切れ々・・」
 「死にかけてるのでしょうか?」
  「うん・・照ちゃんここ来る前にドラックストアあったよね。
経口補水液の液体とゼリー状の買ってきて!」
  「はい!」

 「タカちゃん、私の声も拾えるね。見て来るからヤバかったら
大至急救急車とパトカーと青君に連絡して!」

 尊人はとっさに
  「お母さん大丈夫?気を付けて」
  「お母さんって言ってくれたね。任しときー、だてに師範じゃないからね」

 そう言うとルカは素早い動きで雨どいと塀を使って一気に
2階のベランダに向かい部屋中を見て、
『緊急!』の声が聞こえ尊人は連絡を始める。
   ルカは背負っていたリュックカバンからガムテープを出し窓に張り、
自分の手もカバーしながら鍵付近を静かに割り、中に入り窓を開け放つ。

 中には母親らしき女性が首を吊っている状態でそばに3歳くらいの女の子と
その子をかばうように5歳くらいの男の子が倒れている。

 「僕大丈夫?」
  「朱里(シュリ)ちゃんは・・」
 「朱里(シュリ)ちゃんも大丈夫だよ。どっか痛くない?・・」
 「・・お腹すいた・・パパ・・」
 ルカは声をかけながら男の子を左側に女の子を右手で抱え、
玄関ドアをけ破り、階段を駆け下りてきた。

 そこに照子が駆けつけ、ルカが
 「照ちゃん、お腹が空いているみたいだから男の子にゼリー状を
少しづつ飲ませて」
 女の子の方は飲む力も無いようで、ルカが経口補水を口に含み
そっと飲ませている。
 そこに救急車とパトカーが来た。

 ルカは救急車の隊員に
  「子供は可なり食べてない。栄養失調の可能性あり、女の子の方が重症、
2人に経口補水液を飲ませました」
 「照ちゃん、タカちゃん子供達に付いて行って、
私は警察に事情説明するから、病院決まったら連絡ちょうだい。
後青君も病院で合流」
  「分かった」

    2人が救急車と共に出発した後、状態を警官に告げ、
   「ガスの可能性もあるので窓ドア開け放ってます。
居間と台所間に母親と思われる女性の首吊りご遺体、ただし、不審死、
ご遺体の状況はざっとですが2~3日、子供2名は救急搬送」
   「アッ、はい、分かりました」

    それから鑑識と年配と若手の刑事らしき人が来て、
 「ご連絡いただいたそうでF市警察の梅田と」
 「北村です」

 ルカは名刺を渡し、
   「経営のコンサルやアドバイスをやってます自然派風間企画会社の
風間ルカと申します。
A市やF市に町興し提案の仕事でやってまいりました。
今日はF市役所に行こうとして、
私は鼻がいいんですけど、うちの子が耳が良くて
『子供の声が聞こえた』って言うものですから、
確かめましたら子供達が死にかけているようなので、
皆さまが到着する前に緊急避難でベランダから入りました」

 「『ガスの可能性もある』と警官に言ったそうですね」
  「ガスの匂いなのかご遺体臭なのか微かに匂ったような気がして、
こういう場合ガス爆発も怖いでしょ」
 「自殺じゃなく不審死とは?」

 「先入観になってはいけませんが、踏み台が不自然で」
  「不自然?」
  「踏み台の位置がちょっと遠いような、パット見ですけど」
 「なるほど」
 「だから、踏み台と索条痕の角度よく見た方がいいですね。
後、ガス台のあたりも」
   「どうしてそう思われますか?」

 「首吊ろうとしている人がガス自殺も考えますかね。
しかも子供もいるのに、
ガスで無理心中を図るなら目張りしてないのは変です」
 それを聞いて慌てて若い刑事が鑑識に伝えに行く。

 「詳しい話を」
  「ハイハイ、署ですね」
 ルカは刑事らと警察署に移動、途中で連絡が入る。
  「ちょっと、いいですか?」
  「どうぞ」

  「平和記念病院ね。容態は?アッ、ハイ分かった。
警察で説明した後、向かうからよろしく、エッ?1人でも大丈夫だよ。
病院にはタクシーで行くし・・」
 「子供達ですか?」
  「ハイ、男の子は大丈夫らしいんですけど女の子の方がちょと・・・」
  「病院は、そんなに遠くないのでお送りしますよ」
  「そうですか、ではよろしく『送ってくれるって』じゃあ後で」

 署に着き、刑事達の居るフロアーの一角で、
 「なんかこういう事にお詳しいようで」
 「ええ、うちの実家で道場とマンションと言いますか
アパートと言いますか、併設しているんですけど警察関係者が多いんですよ。
それに私、警察物のドラマやドキュメンタリーが好きで」
  「道場?」

 「えぇ、東京で守攻術法(シュコウジュッポウ)と言う武術を教える
風間道場と言うのもやってまして」
 「なんか、聞いた事があるような・・・」
  「守攻術法(シュコウジュッポウ)風間道場って、少ない動作で素早く
攻撃や逮捕が出来るって警察の今のメインの武術じゃないですか?」 
 「あぁ、あの・・確か、警視総監だか、副総監だかが推してた・・」
 「俺、やってました・・あれの元祖道場!?!」

 「えぇ・・そうだ、誰かいるかも知れないから」
 家に電話をかけるルカ、
  「時村?トラブちゃって身元証明代わりに道場に誰かいる?
エッ、玄武(ツネタケ)おじさん来てるの珍しい。父さんが呼んだの?
ああ例の件で、出られそう?」

  「そう言えば、風間と言えば、一度睨まれたが最後、
誰も太刀打ちできないカミソリ風間」
 「警視総監も恐れ、泣く子も黙る鬼の風間玄武(カザマ・ツネタケ)
監察官」
 「へぇー、玄(ツネ)おじさんて”鬼”とか”カミソリ”って呼ばれてるんだ」
 「・・・の身内・・、もう身元分かったので、大丈夫なんで!」
 「署長呼んだ方が良いんじゃないのか!」
 話の内容を聞きつけ、フロアーの刑事、警察関係者がざわめく。

 「アッ、(刑事らの方を見ながら)その”鬼のカミソリ”が出た、
玄(ツネ)おじさん お久しぶりです」
 「ルカも色々やってるようだな」
 「そのうちおじさんには メインはって頑張ってもらいますよ」
 「面倒事はごめんだよ。 また何か巻き込まれたのか?」

 ルカは今回の事を簡単に説明し、
  「おじさん、”鬼”とか”邪”とか呼ばれるんだね」
   「”邪”とは言ってません!」
 「身元証明に出てもらえます?」

 梅田に代わると
   「風間玄武(カザマ・ツネタケ)です。ルカは姪です。ざっとですが
ちゃんと調べた方が良いようですね」
 梅田が恐縮しながら
  「はい、はい分かりました。お手数おかけしました。少々お待ちください、風間、いやあの、ルカさん代わってください」

   「うん、分かった。その件はまた、後で・・・
エッ、あっ、はい。直ぐそうします。はい」
    電話を切ってルカが真顔で
   「ガスの元栓はどうなってました?」
  「エッ、元栓のホースが抜れてて・・・」
   「大変だ、子供達が危ない、すぐに病院向かって!道々説明します!」
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