⚧🌈🏳️‍🌈😰🤜🤪👿👹👉「令和水滸伝」~嫌なことばっかり、そうだ国をつくり直そう!☆73【仲間の輪18】「家族になろうよ」

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小説
☆73【仲間の輪18】「家族になろうよ」

 講演をと後片付けを終えルカは、
 「いい季節、桜キレイ、タクシーつかまえる間ちょっと歩こうかな・・・」

 ちんたら歩いていると、
 『やばい迷った。アッ、ここどこ?完全に迷子ダ・・・青君にバレたら
『自分の事はトンと駄目ですね』と言われる~・・・
お腹も減って来たしなぁ』

 歩道橋の所で『どうするか』考えていると、そこに斉藤尊人が、
 「こんばんは、さっきの講演良かったです」
  「こんばんは、ありがとう。エッ?まだ、帰らなくて大丈夫?・・
見たような誰だっけ?アッ、校門で3人に絡まれてた・・」

 《思った通りこの人、おばあちゃんと同じで心と話すことが同じだ》
 「・・おばあちゃん・・」
 「イヤ、おばあちゃん の歳まではいってないかな」

 「ごめんなさい 。おばあちゃんに似てたもので、申し遅れました。
斉藤尊人(サイトウタカヒト)と言います。突然、済みません」
 「そうなんだ。おばあちゃんに、光栄です。ご丁寧に、風間ルカです。
よろしくって講演で会ってたか」

 ニコリ微笑むルカに尊人は、
 「・・・僕を子供にしてください!」
 「エッ!これまた唐突(ちょっと考えて)・・・・うん、いいよ。だけど、
ご両親もいるンだろうから、なんと言われるかだね。
 後は、うちの旦那とお姉さんになるだろう照ちゃんにも聞かないとね。
ところで・・・」

 「理由ですか?」
 「アッ、それもあるけど、お腹空いた。ここどこ?」

 《やっぱり  思ったことを言ってるんだ。しかも普通の人と違う。
さっきの講演と普段のギャップが》
 「ここは、A市あけぼの町4丁目です」

 「そうなんだ。ポンコツだと思った?普段はポンコツでさ家族にも
言われるンだ」
 尊人は笑いながら
  「いえ、《不思議だ、僕笑ってる・・いつ以来だろう・・
旦那さんに言われるのか、仲いいんだ》
   この辺に食べるとこは・・・家は近くですけど」

   「じゃあ、タカちゃんの家に行って 娘さんじゃないや
『息子さんを私にください』とご挨拶してからタクシー呼んでもらおうかな」
 《タカちゃん!?!って呼ばれたのもおばあちゃん以来だ。
しかも本気で考えてくれるの?》

 「あぁ、ごめん。馴れ馴れしかった?私、地理と名前覚えるの苦手で。
そうそう行く道々で理由聞かせてって話が逆か。テへへ 、
緊張解けると本当ポンコツでごめん。
 桜が綺麗だね。照ちゃんと同じく 桜下の出会い。と言っても
あの時は桜じゃなくて車のヘッドライトだったけど」

 聞くとルカは何でも話してくれた。
 尊人はルカと話すうちに楽しさから今までにない高揚感を覚えた。
 尊人はルカにこれまでの事を話した。

 「そうなんだ。理由は分かったし、養子の件はうちはいいよ。
それより読心能力か。講演でも言ったけどうちの妹夫婦も霊能力では
苦労してたしね」
 「風間さんは?」

  「ルカでいいよ。 私は多少 感じるぐらいで他に能力って何かあったっけ?
 自分のことってよく分からないよね。
それにしても気象予報士資格取れてることがすごいね。
頭いいんだね。本当にすごい」
 「家では誰も相手にしてくれませんでした」
 「えー!すごいのにね」

 「みんな僕のことが嫌いで興味がないんですよ。
だから、『ルカさんのところに行きたい』と言ったら止めるどころか
喜ぶと思いますよ 」
 「そうなんだ。でも、嫌いなんじゃなくて、
どう扱っていいか分からないンじゃない」  
  「着きました。ここが家です」

 顔が急に曇る尊人。
  ルカは《タカちゃんの居場所を作ってあげたいな》
  尊人はその思いを嬉しく感じた。

 「ただいま」
 ルカも顔を出し、
 「こんばんは、突然すみません。私が道に迷っていたのをタカ・・
尊人さんに助けてもらって、遅くなって申し訳ございません」

 怒り加減だった母親がルカを見て、
 「アッ、風間先生 先程の講演ためになりました」
  「いや、先生じゃないですけど。あぁ、ありがとうございます」
 突然、ルカのお腹がグーと鳴る。
 「いや、お恥ずかしい。戻って食事しようとして
迷子になったものですから」

 「でしたら、尊人が帰り次第食事にしようと思っていましたから、
出来合いの物ですけどうちで良ければ如何ですか」
 「えー、いいんですか?丁度お話もあったので、それじゃ遠慮なく」
 《エッ、お愛想に言ったのに遠慮ない人ね。話って?》
 読まれたことに気づいて尊人をにらみつける母、目をそらす尊人。

 居間には父親と尊人の弟、妹もいて、母親が事の次第を話し
 「私、企画と経営のコンサルタントやアドバイスをやっております
自然派風間企画会社の副社長の風間ルカです。
お食事に飛び入り致しましてすいません。」
 「ハア、副社長・・今回小学校の講演をやられた方ですよね」
 「副社長さんだったんですか」

 「私、医療メーカー営業やっております斉藤 隆(タカシ)、妻恵美、
長男尊人、次男興隆(オキタカ)9歳、その下の美香(ミカ)5歳です」
  「さっき学校にいた」
 「ちゃんと挨拶して」
  「興隆です」
 「美香・・です」

   隆と名刺交換しながら、
 「尊人さんにはさっき挨拶したから、興隆君、美香ちゃん、
よろしく邪魔してごめんね」
 「大したものも有りませんが、食事でもしながら」

 「ありがとうございます。頂きます。
 副社長と言っても小さい会社ですが、A市役所さんから
”A市の町興し提案”を依頼され、社長と常務はそっちにのプレゼンに行き、
その時別件の依頼の
『いじめ・差別・犯罪・自殺予防』の講演は私が引き受けました」

 食事を終え、一息ついた時に恵美が、
 「先程、お話と言ってられましたが」
  「あっ、そうそう、ここに来る道すがら尊人さんから
お話しを受けまして・・・突然ですが、
尊人さんをうちの養子にお迎え出来ないかと」
 驚く、隆と恵美、

 「驚かせて済みません。尊人さんノートパソコンかタブレットある?
あったら貸してくれる?」
 急いで取ってくる尊人。ルカはそれを操作して、
 「うちは東京のN区にこんな感じで家があります」
 と、タブレット操作して見せて、
 「と言ってもこれは両親の家ですが、私たち夫婦も一緒に住んでいますし、
N県には祖父母と妹夫婦が継いでいる神社がここです」

 斉藤夫婦は顔を見合わせ
 「一等地に凄い・・・親戚が神社・・・」
 「うちも妹夫婦にも子供がおらず、以前から養子を迎えたいと
考えていまして、ご子息も望んでおられるようなので、
是非とも養子にお向かいしたいと唐突ですが申し入れた次第です」

 《本気なんだ。約束守ってくれた》

 「・・・有難い申し入れで・・でも、この子は人の心を読む力があって・・
それでもいいんですか?」
 「ハァ、尊人さんからお聞きしました」
  「嫌じゃないですか?」
  「《家族なのに、何が嫌なのか?意味が分からない》嫌ですか?」
 「嫌ですよ。先回りされるみたいで」
  「楽でいいじゃないですか」
  「エッ?」

  「いいんですか? 気味悪くないですか?」
 「いや別に気味悪くは無いですよ《気味悪い?どこが?》
うちは私共や妹夫婦を始め変わった者が多いので気になりません」
  《変わり者同士か、ならいいか》
 《資産家と縁故関係なんて、うちとしては有難い。
隣近所には何と言おうかしら・・》
   尊人の表情が曇る。

 「尊人、いちいち人の心を覗かないで!」
   ルカが尊人を見てウィンク、
 《心を読まなくてもだいたい分かるけどね》
  「じゃあこうしましょうか、修行と言うのも変か?
遊学でも留学でもうちによこしてもらい、
すぐに養子と言うのに抵抗がおありなら、
猶予期間を持ってもらってもいいですし、
双方が納得してから養子と言うのはどうでしょう?」

  「それでよろしいなら うちに異存はありません」
 「主人達にも報告しなきゃいけないし、
尊人さんの転校や引っ越しもあるでしょうから2~3日は必要かな」
 「事後報告でご主人は大丈夫ですか?」
 「大丈夫ですよ。以前から養子欲しいね。と、言ってましたし」

 弟妹を見てルカは、
 「《もらうってあまりいい言葉じゃないけど》
兄ちゃんをもらっちゃっていいかな?」
 と、聞くと興隆は躊躇(チュウチョ)なくすぐに答え、
 「いいよ」

  妹の美香は
 「タカ兄ちゃんどっか行くの?」
 「うちの子になるんだ。大事にするよ」
  「・・そうなんだ・・」
 よく分からないなりに少し考え
 「じゃあ、いいよ」
 尊人は寂しそうに笑った。

 「ご馳走になった上に長居をしました。ありがとうございました。
よろしければ明日にでも、また伺い手続きなど進めましょう。
お手数ですがタクシーを呼んでいただけますか?
外でタクシーが来るまで尊人さんをお借りしてもいいですか?」

 玄関先でタクシーを待ちながら
 「ほら、言った通りでしょ」
 「そうだけど、スムーズに話が進んで怖いぐらい」
 「本当に僕でいいんですか?」
 「いいよ。 逆に 君じゃないとダメなのよ」

 尊人はさっきと逆に嬉しそうに
 「でも、ご主人や他の皆さんは?」
 「大丈夫、その都度メールや通信入れてるから」
 と、アクティブウォッチを見せ、
 「説明も早く済むから、そのまんま送ってた。まずかった?」

 「両親も『さすが副社長、やることが早いって』思ってましたよ」
 「『善は急げ』「時は金なり」Time is money(タイムイズマネー)
タイパは大事だからね。
  それにしても君の家って、皆クールだね」
  「冷たいと言ってもいいですよ。反対どころか、
偉い人と親戚になれると思ってますよ」

  「私もえげつないけど信用得る為に
家の敷地や祖父母の神社まで利用したけど、
それでも事がうまく進めばいいんじゃない。
合理、機能、実用、効率、大好きだからね。
この先も もめ無いようにしながらサクサク進めるよ。

 ところで、うちのみんなは人数も多いし、クールの逆のホットなんだ。
タカちゃん大丈夫?
 しばらくは仕事でこっちにいるけど、東京に戻ったら妹のところに
能力のコントロールに行った方がいいかもね。
ただ、タカちゃんを玄加(シズカ)に取られたらどうしよう?」
  「大丈夫です。 僕はルカさんの息子になるって決めてますから」

  嬉しそうなルカが、
  「じゃあ、早々に荷造りしてもらってホテルに来てもらおうかな。
早くこっちに来て家族になってもらいたい!」

 「ルカさんの能力 分かっちゃいました」
 「何?」
 「超、順応能力、状況判断対応能力、いろんな回転スピードが早い!」
 「そうなんだ、特徴に入れるからこれからも私の能力見つけて!
だけど、何で私だったのかなー」 

 「そう言うところです。自分を飾ったり、人を傷つける噓や欲がない」
 「ポンコツでも爬虫類脳・哺乳類脳じゃなくて人間脳に近いってことかしら ウフフ・・・」
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