グルメサイトの今後

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ビジネス・マーケティング
飲食店のグルメサイト離脱が加速しています。
背景には、従来から高額だった手数料が、コロナにより重荷となったこと。飲食店探しに、グルメサイトではなく、グーグルマップやインスタグラムなどを使う利用者が増加していること、があります。

また、「Go To イート」について「グルメサイトだけが儲かる仕組み」といった不満があることも影響し、今後、離脱はますます増加するものと思われます。

離脱の理由は「不満」です。

グルメサイトにおいて重要なのは、企業つまり飲食店だけではなく、「利用者も」離脱しつつある、ということです。今後の市場構造が大きく変わる可能性があります。

利用者のシフト
グルメサイトの利用者の現状を見てみます。
利用者が、飲食店検索に使うツールは、グルメサイトから、グーグルマップやInstagramへシフトしつつあります。

グーグルマップにシフトしている理由は、「お店」を探す手段として楽だからです。
友人とカフェで待ち合わせし、会ってから店を決める。そういった場合、グルメサイトで探すことは想像しづらい。グーグルマップで探すことになるでしょう。スマホと連動性が高いため、近隣の店をすぐ探せる。口コミがグルメサイトより信用できる。そして何より「楽」。そういった理由でグーグルマップを使うユーザーが増えています。
インスタグラムは、「食べたい料理」が見つかる・探せる。グーグルマップは「店」を楽に探せる。そのため、グルメサイトからのシフトが起こっているのです。
契約店減少による利用者減少。利用者減少によるネットワーク効果低下。さらなる契約店減少へ。グルメサイトは負のサイクルに入りつつあります。

インスタグラムにシフトしている理由は2つ。
1つ目は、食べたい料理が、「偶然見つかる」からです。
暇なときにグルメサイトを見る。そういった人はほとんどいないのではないでしょうか。一方、空いた時間にインスタグラムを見る人は、相当数いるかと思います。そのとき、偶然、美味しそうな料理が見つかる。食べたくなる。店を探し予約する。衝動買いならぬ、衝動「食い」してしまう。利用頻度が圧倒的に高いインスタグラムでは、このようなことが起こり得ます。
「ボーっとインスタグラムを見ていたら、表示された”肉をバーナーで焼く動画”があまりに美味しそうだったので、つい店に予約を入れてしまった」
「フォローしている著名人の食べているケーキが美味しそう。私も食べてみたい。店はどこ?」
どちらも、自然な流れです。偶然、食べたい料理が見つかった結果、グルメサイトを経由することなく、インスタグラムだけで店を決めてしまう。これが理由の1つ目です。

2つ目は、食べたい料理を「探す」のに便利なこと、です。
1つ目の「偶然」とは逆に「意識的」に食べたい料理を、探す手段としても、インスタグラムは有効です。
上述のテーブルチェック調査によると、グルメサイトの利用頻度が減った理由として、「自分好みのお店が見つからない」が26.7% を占めています。
これは、店の雰囲気もさることながら、自分の食べたい「料理」が見つけにくい、ということではないでしょうか。なぜ見つけにくいのか。グルメサイトは、条件に合った「店の」選択肢を提供し、そこから「選ぶ」からです。それに対し、インスタグラムは、画像や映像で、自分の食べたい料理を「探す」ことができる。これが理由の2つ目です。
偶然、食べたい料理が「見つかる」。意識的に「探す」こともできる。インスタグラムへのシフトが進んでいるのは、このためです。

インスタグラムは、「食べたい料理」が見つかる・探せる。グーグルマップは「店」を楽に探せる。そのため、グルメサイトからのシフトが起こっているのです。
契約店減少による利用者減少。利用者減少によるネットワーク効果の低下。さらなる契約店減少へ。グルメサイトは負のサイクルに入りつつあります。



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