♪長尺文・23年振り奇跡の再会 → 筆者火の車?

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コラム

※ 通算4899編目は、これまた読者を置き去りの、独り語りならぬ綴りです。


♪前編の出題に対し、件のギタリストから、早速メールが届きました。

「蒙古斑兄弟」 を変読せよ、の問。
なんでしょう?
「もうご飯頂戴」
それは変読ではなく駄洒落だ!
考えていると今日の仕事に悪影響を落としかねないので、棚に置かせてもらいます。

流石の回答! … なぜなら筆者もこれしか思いつかなかったから(呆)

大切な所属バンドのワンマンライブを控える前日、律儀なヤツぢゃ。

o(_ _)o こりゃ申し訳なかった & よもや真に受けてくれるとは思わず …


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♪新年2日目、普段なら足を運ぶことはない商業施設で、今編表題が筆者を待っていました。
エスカレーターで最上階まで昇れば、建物の奥側が降り口でした。
生まれて初めて踏み入った場所、怪しい視力でキョロキョロしながら、
「この通路はどこに続いているのかな?」
歩を進めれば、全国展開中の量販楽器店舗内でした。

マニアックとは対極の、初心者からバンド少年少女にターゲットを絞ったと思われる店構え、当然単に通り抜けるつもりでした。
ところが前方にエレベーターを確かめたその左奥に、とあるシルエットが。
不思議なもので、この瞬間その物体だけが、視力2.0で確認できました。
「う、嘘だろ!?」
気づけばガラスケースの前に立ちつくし、動悸は一気にアップテンポに。


♪遡ること23年前、筆者はとある趣味の店の独り店長でした。
組織の一員としての立場上、どうしても自己所有の大切なギターを現金化せざるを得ず、泣く泣く手放した日の記憶は、今も悲しいほどに鮮明です。

その後紆余曲折未満から約10年間、手元にギターがない生活だったことは、先の記事で綴った通りです。
それでもこの存在だけは、時折夢枕に出てくるほどでした。

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★ お帰りなさい 筆者のこと 覚えていましたか?

ふたたび出会えるハズがない彼女。
世界に1本だけの特別仕様、下世話な話ですが、当時相応の金額でした。

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★ 本鼈甲の大きなピックガード 今日ではまず不可能な特別仕様

「よろしければ試奏されますか?」
丁寧にお声がけくださった、若い男性スタッフを制した筆者の口が、
「いくら手付けを入れたら、最長どれくらいお取り置きいただけるかな?」
勝手に動いたこの時点で、残金調達のアテなど皆無でした。

ちなみに筆者は、
「日本円が通貨として有効な限り、決済は現金のみ! クレカもキャッシングも電子マネーその他も、生涯使わない!」
世の中全体がキャッシュレスへと加速する中、ここでも天邪鬼全開です。
とある人生経験を通じ、有言実行を続けています。

なおさら大変だ(苦笑)。

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★ 超稀少ハカランダ(ブラジル産紫檀)材 外観も音色も価格も別格です

一昔前まではこんなふうに言われていましたが、今はどうでしょうか?
「結婚指輪は給料の3ヵ月分」
20~30代のサラリーマンにとって、これはなかなか大変ですが、この場面で筆者が工面せねばならない残額は、それと同等以上でした。
(※興味のない一般人にとっては、理解に苦しむレベルの話でしょう)

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★ 見返り美人 見返ったらネジれるよね(笑)

さらにこのお店には失礼ですが、保管状態が過酷というか、劣悪でした。
湿度管理ゼロで乾燥し過ぎたショーケース内、熱を帯びたスポットライトを直射された姿は、
『砂漠で張り付けにされ、太陽光を浴びせ続けられているようなもの』
綺麗に展示販売することだけに意識が向いていたとすれば、問答無用で楽器店失格でしょう。

「必ず奪還救出してやるからな! 待ってろ!」


♪この日から3日後、開店時間と同時に、エレベーターに駆け込みました。
可哀想に、乾き切った木の胴体は縮んで反り返った箇所もあり、大袈裟でなく瀕死状態寸前でした。
それでも湿度調整した自宅内で数日間過ごすことで、自然治癒が進みました。
もちろん細部まで清掃と調整を施し、見違える状態へと復活中です。
コレクションとしてケースに入れっぱなしにされていたのか、弾かれた形跡がまったく見当たらず、ある意味可哀想な年月を過ごしていたらしく?

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★ ケースの縁が 少しめくれ上がっているのも 記憶そのまんま(涙)

ちなみにこの店の接客対応は、他にも色々な悪い意味(←)で、
「面白過ぎるぞ(呆)」
立腹するのも面倒なレベルでしたが、とりあえず天命を全うした(←)達成感が、そんな負の感情を忘れさせてくれました。


♪そういうわけで、10本だった手持ちのギターが、現在5本に。
こうした有事に際し、それなりの金額となってくれるのも、彼女たちならではの特長です。
ありがたいことに数本を、こちらの皮算用以上の好条件で素早く現金化することができ、正直一息つけました。

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★ いきなり広くなった狭い部屋 布団で寝返りうっても大丈夫

それでも現時点では、手持ちは巨大隕石がめり込んだほどに凹んでいます。
えらいこっちゃ & 笑いごとではありません … 自己責任ですけどね。

突然叶った、23年目の奇跡の再会からの奪還。
正月2日目のこの超弩級特大サプライズ、早くも2022年度・年間最大の出来事候補!?

o(_ _)o 執筆仕事その他・鋭意大募集中です!


- 補足追記 -

この奇跡(※楽器好きであればご理解いただけるでしょう)には、いくつもの偶然が要因として重なっていたようでした。

* マニア層が基本気にかけない(であろう)店舗の特性で、店頭販売開始から3ヵ月間も残り続けていた。
販売力を持つ店舗であれば、即日SOLD必至のところ、この店での遭遇は、筆者にとって幸運でした。

* 次に勉強不足ゆえか、売価設定が相場を大きく下回っていた。
マニアックな専門店であれば、間違いなくゼロが6つ並び、筆者も手が届かなかったかと。
不自然な店頭価格ゆえ、購入希望者が懐疑心を抱いた可能性が否めません。

* さらにホームページ上にリンクされていなかった。
手付金を納め、帰宅後に確認したところ、人為的リンクミスから、このギターが露出するべき箇所に、妙な機材の画像が貼り付けられていました。
この店側の初歩的ミスが、大いに筆者に味方してくれたようです。

* そしてこの商品を正しく説明できるスタッフが、見当たらなかったこと。
筆者の相手をしてくださった彼も好青年でしたが、明らかに商品知識不足。
丁寧かつ誠実な接客は感心するも、プロのアドバイザーを名乗るのは、現時点のレベルでは正直どうかな?

これらが結果、彼女を1999年春の別れから23年振りに、我が手元に誘ってくれたようです。

もしも正月2日、筆者がエスカレーターで最上階まで昇っていなければ?

やっぱりこれ、奇跡の再会でしょう。


或 頁生(ある ぺじお)


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