♪これでひと区切り・愛器の独り語りシリーズ #9

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コラム

♪年に数回ですが、突然無性に食べたくなる、商品名 = ぺちゃ焼き。

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★ たこ焼き数個を並べて生卵をかけ 鉄板で押し潰して焼き上げます

チェーン展開中の粉モン屋さんのオリジナル、塒から片道徒歩15分圏内に3店舗もありますが、
「ぺちゃ焼きを買うならこの店」
あえて1番遠い店まで、足を運んでいます。

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★ 食べ進めると こんな感じ お好み焼きとは全然違います

( -人- ) ベーシックで1枚350円と、決して安くはないけど、価値アリです。


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♪新顔の私をこうして迎え入れるべく、頁生(さん)は数ヵ月かけて、前オーナーと根気強く折衝を続けてくださったのよ。

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私は最初のご主人さまの、いわゆるワンオーナー品。
1970年代中頃から40年以上、ずっと二人三脚。
残念ながらメインの立ち位置じゃなかったけれど、裏方的なプロ・ギタリストの控えの相棒として大切にされ続けたことは、この先も私の誇りです。

そんな前オーナーも年齢には勝てず、70歳を過ぎたタイミングで、表舞台からは引退と同時に終活を始められたの。
その一環として、私の次のご主人さまを探すように、関東圏のとある楽器店主さんに相談したの。
その店主さん、約30年前に横浜で暮らしていた頁生(さん)と、偶然接点があったんだって。
双方がそんな縁を忘れていたらしく、後になって妙に盛り上がっていたわ。

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最初のご主人さまは私に対する思い入れを、譲渡に際しての最低希望価格に込めたみたいだったけど、それは相場を大きく超えてしまっていたの。
その上40年以上、一切修理調整に出すこともなかったことで、
「正直現状では店頭売却は難しい&店としての販売責任も負い切れない」
店主さんのこの一言も当然で、目に見えない部分はそれほどまでに、年齢と医者知らずの代償が誤魔化せない私。

それでも頑固すぎるほどに一切譲らず、結局店主さんが折れる形で、
「長期的に売れ残り続けても、一切文句言いっこ無し、ですよ」
いわゆる委託販売のスタンスで、私の販売を始めたのは、随分前だったわ。


♪今のご主人さまが私のことを偶然ネット上で見つけたのは、今年の割と早い時期だったんですって。
そこから店主さんを間にしての折衝は、政治家の外交レベルの緊張感が漂ったことも複数回。
「そんな野郎に大切な俺のギターを売る必要はない!他を当たってくれ」
現状販売でこの売価は厳しいから、双方歩み寄れないかと打診した頁生(さん)に対し、前のご主人さまは態度を硬化から、感情に任せてこんな一言を。

プロとして歩んできた自身の人生を値踏み(=値引き)された、って、そんなふうに解釈してしまったのかな?
「有名ギタリストの愛器にプレミアが付くのなら、自分だって…」
そんな心の声が制御できず、言葉になっちゃったんだろうな。

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間に入って通訳(かな?)を務める店主さんは大変ですが、頁生(さん)は行間や見えない部分を読む能力には、かなり長けている人らしく、
「長期戦に持ち込めば落とせる&自分以外に成約に至れる希望者はいない」
そう確信した8月頭から、それまでとは一転して、丸2ヵ月以上音沙汰無し状態を演じるなど、水面下で主導権を握りつつ、その時を待っていたんだって。

結果この通り。
振り返れば、3つの季節を見送ろうとしていたみたい。

1番大変だったのは、やっぱり店主さんでしたね。
一連の経緯から、もちろん相応の謝礼をお届けすることで旧交復活となったことも、今のご主人さま共々喜んでいるみたいよ。

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前編で登場した先輩のフォークちゃん以上に、私は名医の手術が必要な体調。
自虐じゃないけれど、現状では楽器としては使い物にはならない手前かな?

だけど今から入院となると越年必至だし、病院は神戸。
師走から新年にかけては、連日混雑が半端ない港町だから、
「年が明けて世の中が2022年モードに落ち着いたら、この娘も頼むよ」
お医者さまとは話がついているんですって。


♪ちなみに私を見初めた理由、まだ聞かせてもらっていないの。
「今年還暦だったから、真っ赤なギターを自身に買ってやろうかと」
ラッキーちゃん(#4)を手に入れる前から、先述の折衝が続いていたから、案外この通りだったのかもね?

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そういうわけで、今はこの部屋での先輩諸氏との暮らしになれるべく、つつましやかな新入り生活の毎日です。
みんないい人ならぬギターばかり。

「新しい暮らしは最高の環境に恵まれているから、何も心配しないでね」
店主さん経由で前のご主人さまに、こんなふうに伝えていただこうかと思っています。


語り部 : 1970年代前~中半生まれの同機種最初期仕様(※名前熟考中)


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