リースバックで住み続ける時など

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最近、このリースバックという言葉を聞く機会が増えたのではないでしょうか。金融機関もCMをしています。そのせいか、安心して良いのだと思う人も一定数いるはずです。

自宅に住み続けたまま、まとまった資金を受け取り、その後は賃貸として賃料を払い、死亡した時に明け渡す、ような仕組みです。

金融機関の場合、堂々と言っています。
払うのは「利息のみ」、と強調しています。

自宅を金融機関が買い取る、資金を渡す、ではありません。
資金を「貸し付ける」のです。
融資です。
しかも金利が高いです。
だから金融機関は喜んで行おうとします。

資金を貸し付け、利息だけ受け取り、元金は減りません。
恐ろしい内容と思います。
死亡時に、担保評価額と比較し、担保価値のほうが高くても物件は失います。反対に何らかの理由で担保価値が低くなっていた場合、相続人は困ることが予想されます。

リースバックというカタカナ言葉なので、理解しづらいと思います。
簡単に言えば、家(土地建物)の質入れです。
返せなければ、質流れです。

質入れとの違いは、質流れになることが前提になっていることです。
金融機関は利息を確実に手に入れ、さらに物件も手に入れます。
だからCMまでして行おうとします。

さらに大切なのは、地域限定という点です。
どんな人でも換金できるような物件のみ、リースバック可能としています。
どうしようもない田舎の物件では、完全に無視されます。
リースバックをしようとする場合、よく考えるべきと思います。

最近では、より悪質なケースが目立ち始めました。
不動産会社が自社で行っている場合です。
金融機関との違いがあります。

金融機関は、あくまでも資金の貸し付け、利息が狙いです。
しかし、不動産会社の場合、資金を貸し付けるわけではありません。
ここが巧妙で悪質な点です。

まず、土地建物を買取します。
買取るので売買です。
売買代金を支払います。

次に、賃貸借契約をします。
これで住み続けることができる、と言われます。
間違いではありません。

問題は、賃料等の条件です。
金融機関の場合、5%程度の利息です。
単純計算で15年から20年で土地建物の元金になります。

しかし、不動産会社の場合、そんな呑気なことはしません。
10年以内に回収できるようにします。
賃料を10年支払うと、元金を超えます。
10年くらいなら、まだマシかもしれません。

6,7年で回収する業者もいます。
利回りで言えば15%程度です。
だから、不動産会社がリースバックとして勧める場合があります。
おまけに途中で解約をしたいと思っても、高額な違約金で縛り付けるケースがあります。

安易にリースバックとして契約することは勧めません。
特に、いきなり訪問営業で来るような業者の場合、絶対に勧めません。

何時間も居座り、強引に契約させる場合もあります。
すでに被害者がでてきています。

昭和であれば押し売りがいました。
令和では、押し買いが出てきました。
土地建物を強引に低額で、無理やり買取します。

リースバックという名目で、次は押し貸しです。
通常の賃貸条件ではなく、借主に不利な内容で契約させられます。
悪質です。
いずれ、このような問題が多発すると思います。

本当に適切に行っている場合、価格の理由を説明するはずです。
また、賃貸条件も可能な限り調整することになります。
目先の資金だけで判断しない事です。

通常の売却、通常の賃貸物件への転居、このほうが良いケースがあります。
住み続けたい、という希望を優先するかどうか、ここが分岐点の一つです。
冷静に、着実に考えて進む場合、理解して納得して進んでいます。
考えないで進むことだけは、避けるべきと思います。

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