創業のためのメソッド 3

記事
コラム
以前、「創業寺子屋」として、全文一括で掲載しましたが、
『創業のためのメソッド』として、
テーマごとに再投稿させていただいています。
第1編は「創業計画書作成」編です。
第3回「創業計画のつくり方①」

今回から「創業計画書」をどのように作っていくか、についてご説明します。

まずは、何のために「創業計画書」を作るのでしょうか?
その目的は、いくつかあると思います。
① 自分が考え、やろうとしていることを整理してみるため。 
② 金融機関からお金を借りるのに、自分の計画の妥当性を説明するため。 
③ お金等を出資してもらう協力者に対するプレゼンのため。
「創業計画書」は、核(根っこ)の部分は当然同じなはずですが、
①②③それぞれ目的が違うわけですから、
スタイル(形式、様式)も違ってくるはずです。 

①は自分の考えを整理するためのものですから、体裁にこだわる必要はなく、
何度でも、自分が納得いくまで書き直すこと(ブラッシュアップ)が重要です。

また出来上がったら一度、ご家族やご友人などに客観的な目で見てもらうことを お勧めします。その「計画書」は、他人が見ても「妥当だ」と言ってもらえるものに なっていますか?  

①が完成すれば、②③は金融機関等相手が求める形にアレンジするだけです。

注意していただきたいのは、公庫や保証協会等には、計画書の『様式』があるという こと。
つまり相手が求めているのは(最低限)そこに記載すべき情報で、必要があれば、足らない分は追加でその部分だけ依頼されるはずということです。
公庫の創業計画書の様式はA3一枚。保証協会(東京)はA4三枚です。
一方、創業補助金(東京都中小企業振興公社)の申請書はA4二十枚です。
求められている様式に合わせて計画書等は作成しましょう。

求められているのがワンペーパーなのに、(熱意を示すため?)何十ページもの 計画書の添付の効果は疑問です。
相手(取引先)のニーズに合わせたサービス (商品)の提供が、事業(商売)には必要だと(個人的には)考えます。 
また、検討するのに(最低限)必要な情報としての様式なわけですから、空欄や
求められていることと違う内容を記載しても用が足りず、担当者の補記が必要になり ますし、事前に知っておきたい情報も、後付けの確認となるので、
それだけ結論が出るのにプラスの時間がかかると考えた方がよいでしょう。 

もう一つ担当者が困るのは、FCやコンサルタントの作成した計画書がそのまま添付され、しっかりした内容ながら、申込人ご本人が内容を説明できない。 
または、内容そのものを理解していないと思われるケースもある、ということです。
計画の作成をFC等に協力してもらうのは、まったく問題ないと思いますが、
少なくとも内容をご自分の言葉で説明できる方が、その後の融資審査はスムーズに 進むのではないでしょうか。
 前置きが長くなりました。「創業の手引き」は8ページです。
今回は、計画書の全体像について説明します。各項目の詳細は、後日改めて。
(1)全体像
① 「創業動機、事業の目的、将来的なビジョン」 について 
 先日、読売新聞の「フリーランスという働き方への関心が高まっている」
との『コラム』の中に、志村けんさんが著書(「志村流」三笠書房)の中で、
独立するか迷っている人に三つの問いを立てている。 
 ⅰ「何をしたいか、すぐに答えられるか」 
 ⅱ「これだけは自信があるという特技はあるか」  
 ⅲ「他人から『ちょっと変わってるね』と、よく言われるか」 
一つでもノーがあればやめた方がいい、と書いている。 
との記事がありました。  
  ⅲは、志村さん独特の感性(あるいは「お笑いの世界」の話)だとは思いますが、ⅰとⅱは、第1回目の冒頭に書いた、創業のチャンスの在りかとして 『やりたいこと』『できること』につながる考え方ではないかと思います。 
 (プラス『ニーズがあること』)

② 「市場調査」 について  
 中小機構(中小企業基盤整備機構)の『J-Net21』というサイトの
「業種別 開業ガイド」というコーナーがとてもよくできています。 
私もインストラクター時代、審査の新人たちに、これを使って業種の勉強をするよう にとアドバイスしていました。
余談ですが、金融機関の職員は『業種別審査事典』という「きんざい (金融機関向 けの本や雑誌を出している会社)」の本(CD-ROM)を使っていることが多いです。
ただ、 セットで20万円位するようです。大きな図書館には、置いてあるものなんでしょうか。
(2)具体的な事業計画、(3)資金計画、(4)収支計画 については、 
後日、各項目のと ころで説明いたします。
今日のまとめ   『創業計画は、納得いくまで練る。』 
次回は、創業計画書の 『1 創業の動機』 『2 経営者の略歴等』について、解説予定です。

                        以上、富太郎でした。  


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