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小説
皆さんこんにちは★
あかまちです。私の住んでいる関西区域は雨なんですが、皆さんの住んでいる街はいかがですか?
ここ最近いろんな方の目に留まったようでうれしく思います。
ご縁があれば嬉しいので、それまでは私の頭の中身を少しでもご覧ただければと思います。

本日はこんなこともできますよという意味合いも含めて
ショートストーリーを上げたいと思います。


【秋の長雨】
 ひとあめふるごとに、寒くなる。
 暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもんだ。
こんな日はお気に入りのカフェの窓席に座ったことを後悔している。
でもここじゃないといけない理由がある。

「♪♪」

彼が入ってきた。
いつもの時間、いつも眉間にしわが寄ってる。
なんでこの人が毎回目に留まるのはなんでだろう。
とりたて整っているわけではなし、切れ長の目が涼しいなって思う
ほら、周りが少し荷物をよける。それくらい威圧感があるのにぺこりと頭を下げる。
そのギャップがかわいい。
手入れのされてる小物たちが彼のこまやかであろう性格がよく見える。
ああ、ほら。そっと眼鏡ケースにしまう仕草ですら洗練されてる気がする。

こんなストーカーまがいのこと本当はいけないって思ってる。
思ってるんだけどやめられない。
恋でもなんでもない。でもただ私が昼休みに見れるとテンションが上がるだけ。
そう、ただ目で追ってるだけ。
この珈琲を飲んだら出よう。
毎回そう思うんだけど、珈琲を飲む手が伸びない。
ぼうっと彼を眺めているだけ。
なんて名前なんだろう。この時間はお昼休みなのかなあ。彼女とかいるのかなあ、左手に指輪の跡はなし。


「RRRRRRR」


昼休み終了間際に呼び出しのコールが鳴る。
外はまだ雨が小降りだな。走ったらそんなに濡れないかなあ。
貧血を起こしかけながら会計を済ませ、電話に出ながらオフィスへと小走りで戻る。
電話口でキャンキャン吠えているのは新卒で今年受け持ちになったメンターの子だ。独り立ちするまでどれくらいかかるだろう。考え始めて辛くなってきたからやめよう。ただただ目の前の仕事を片付けないと。

定時がしっかりすぎてがちがちになった首を自分でほぐしながら退社する。
痛い。ええと、財布にスマホに…かばんも持って残ってるのは私だけ。
守衛のおじさんに挨拶をして出れば今日も1日が終わる。
「やあお疲れ様、たまには早く帰らないと帰り道まで忘れないかい」
軽口を叩きながら見送ってくれるおじさんは、私が新入社員のころから変わらない。
泣きながら帰った時守衛室で話をきい聞いてくれてたし、うれしかった時は静かに微笑んでくれて。もう一人の父親みたいなそんな感じがする。
曖昧に微笑んで傘をぱっと開く。
あれ?私の傘じゃない気がする。
こんな色だったかしら。青は青だけどこんなに爽やかだったかしら?
この時期の雨は降るごとに寒くなる。寒くなると肩を寄せ合う恋人たちが余計目に着く。ちりつく胸もなくなってきた。悲しいもさみしいももうない。
寒くなると少し空気が澄んで背筋が少しシャンとする。
さあ、家に帰っておいしいものを食べよう。
おでんにしようかな、鍋がいいかな。

傘をひと回しして駅へと向かう。
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