中国ビジネスはどこで展開するべきなのか?

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ビジネス・マーケティング
初めまして。キタムラです。中国工場の管理やマーケティングなどを14年ほどやっていました。自分が経験した事や考えた事をシェアしていければと思っています。


「中国は」と一口に語られることが多いですが、中国は多種多様でとても一言で言い表す事は出来ません。民族、場所、年齢によって考え方も習慣も全く違います。

今回は場所による違いについて語ってみたいと思います。

中国でビジネス展開をしたいと思った時にどこの都市をターゲットに選ぶかはとても重要です。一般的には大都市である「北京」「上海」「広州」がまず一番に上がってくると思いますが、この3都市は消費傾向が全く違います。

例えば北京は古都で、政府の機関がたくさんあり、上級の軍人も多く住んでいます。人々の傾向としては保守的で真面目です。歴史的な建造物や文物も多く、それらを修理する芸術家や職人の数も多いため、古物や美術品、工芸品などが好まれる傾向にあります。

上海は商業の都市。大きなショッピングセンターがたくさん立ち並びハイブランドのお店もあちこちにあります。勢いがあり流行に敏感です。反面飽きっぽい部分もあり、テナントがしょっちゅう入れ替わります。高級品が売れやすい傾向にはあります。

広州は若者の都市。ファッションブランドやデザイナーを多く輩出しており、新しい物が受け入れられやすい土壌です。町中に勢いやパワーがあります。ただ物価は他の2都市より安いため、高級品の展開には一工夫要りそうです。大都会の部分と昔ながらの中国が混在していて可能性を感じます。

その他、工業系の方がよく進出している都市には大連や蘇州があります。

大連は私も4年住んでいました。中国の東北地方は人々が純朴で優しい傾向にあります。大連は対日感情も穏やかで、開発区には多くの日本企業が進出しており、比較的住みやすい都市です。遼寧省を含む中国東北部は経済成長率が低いため、賃金が安く、現地に進出して人を雇うという点では良いかもしれませんが、物を売るという点では高級品は厳しいと思われます。ただ、今後政府が力を入れていくと発表しているので、先に市場を取っていくという方法もあります。 人件費に関してはこれからかなり上がっていくと予想されます。

蘇州も工場進出では人気のある都市です。以前は交通が不便でしたが、今は空港から新幹線が出ているため、上海からの移動も1時間かかりません。上海に比べると物価が安く、便利です。近年上海近辺の都市は人件費の高騰が激しいため、進出するにあたってコストは厳しくなると思います。以前は市内の移動がバスのみでしたが、最近は地下鉄が発達してきてとても便利になりました。

「物を売りたい」のか「進出したい」のかによってもどこがふさわしいのかが変わってきます。例えば現地に住まなければならないとしたら、人々の気質だけではなく、安全さや気候、買い物できる場所、娯楽などが重要になってきます。

今は渡航が難しいかもしれませんが、まずはターゲット都市に最低でも1週間~10日位滞在して町や人々を観察してみると新たな切り口が見つかると思います。
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