動物は純真無垢で、愛すべき存在であります。
それが当然だと私は思っています。
感情任せや生理的嫌悪からの動物虐待は、
人道にはずれています。
勿論、愉快犯など以ての外ですから、
気が済むまで糾弾すればいいでしょう。
たとえ話をしましょうか。
A子さんという、一人暮らしの薄給OL(20歳)がいると仮定します。
日々淡々と仕事をこなし、唯一の趣味は読書。
お酒も飲めないから、夜の付き合いにも顔を出さない。
そんなA子さんが、会社の帰り道、
衰弱している子猫を見つけてしまいました。
──あのまま、放っておけばよかった。
と、のちに思うようになってしまいましたが。
A子さんは、衝動的にその子を保護し、
動物病院に駆け込んだのです。
◆◆◆
子猫は完全に回復し、A子さんはその猫と一緒に暮らすことにしました。
A子さんは、体の弱い猫のために。
体調が悪そうであればすぐ獣医に診せ、
キャットフードや副食もそうとう吟味し……
空調にも気を付け、猫になるべく負担をかけないようにしました。
いつしかA子さんは、猫主体の生活を余儀なくされていました。
そしてそれから──じつに、16年の歳月が流れました。
A子さんはすっかり疲弊し、猫はまだ生きていました。
A子さんはある日、猫を見つめながら
「こんな子、早くいなくなっちゃえばいいのに」
などと、思ってしまいました。
なぜなら、A子さんは。
16年、猫主体の生活をしているからです。
「人間の16歳」であれば、だいたいのことはひとりで出来ますよね?
(障がいのある子や、病気の子は除きます)
しかし、「猫の16歳」は、ひとりでは何もできないんです。
永遠の赤ん坊みたいなものですよ。
A子さんは、心から猫を愛していたので、
愛する我が子に触れたいと、いつも思っていました。
しかし猫はいつも、A子さんの机の下にひきこもって出てきません。
「おまえなんか信用できない」といった目つきで見られ、
そっと添い寝をしてみても、体をぶるぶる震わせ、猫は逃げていきます。
愛の交歓が出来ない。
心がまったく通い合わない。
良かれと思ってしたことすべてを無碍にする。
そんな猫への愛情がすっかりとなくなり、
いっそ捨ててしまいたいとさえ思う。
憎々しく思う。ただただ腹立たしい。
「私の時間と気力と体力とお金を返せ!!」
狂気と憎悪に満ちた表情で。
そう叫ぶA子さんは果たして「villain」でしょうか?
……それはそうと、新サービスをはじめてみました。
ご興味がありましたら、よろしくお願いいたします。
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