組織文化の融合

記事
ビジネス・マーケティング
SBIホールディングスによる新生銀行の買収攻防がヒートアップしていますね。国内銀行界初の敵対的買収に発展しました。ドラマみたいです。新生銀行が、株式公開買い付け(TOB)に対して反対する意向を表明しました。主張の主旨は「株主の利益にならない」。具体的には①買い付け株数の上限設定(48%まで)、②買付価格が低価格(約4割増し)の二つを問題視しています。この二つを解決すれば(上限撤廃、価格引き上げ)、TOBに賛同するとしている。これに対して、SBIは「二つとも受け入れられない」と声明を出しています。上限撤廃すると50%を超える可能性があり、銀行法の規制対象になるからです。銀行持ち株会社の金融庁認可が必要になり、銀行業との関連が薄い事業の手放しを求められるリスクがある。お互い事情がわかった上での全面対決です。

ということで、11月25日の臨時株主総会で、買収防衛策発動への賛同を取り付けられるかどうかが焦点となります。防衛策が発動されると、SBI以外の株主が新株を取得して、SBI保有比率は20.5%未満に抑えられます。新生銀行がSBIの子会社にはならず、TOB中止、撤退の可能性もある。今でもSBIは、新生銀行の約2割の株式を持っていますから、臨時株主総会には参加します。まさに戦い。現段階ではどっちが有利なのか? SBIです。他の大株主は、約2割の株式を持つ「国」(預金保険機構と整理回収機構)です。「国は意思表示を棄権する可能性が高い」とされる。だからSBIが圧倒的に優位との見方が強いのです。

お互いけんか腰。今までいろいろあったんでしょうね。合理的利益を超えた感情も感じられる。おそらく企業文化も全然違うと思います。親和性が低い中で統合すると、今後が難しい。お客様、少数株主、従業員にどんなメリットがあるのか。特に従業員がハッピーになれるのか心配です。もし買収が成立したら、新生銀行社内は最初混乱するでしょう。経営陣は刷新され、すでに会長は元金融庁長官を充てる方針をSBIは示しています。その場合のリーダーシップが注目されます。買収攻防の結果がどうなるかはわかりませんが、その後も含めて注目したいです。大小の違いはありますが、会社内でも組織統合などは頻繁に行われます。最初に新トップがどういうメッセージを発進するか、これが本当に大事だと思います。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す