アジャイル化

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ビジネス・マーケティング
経済同友会のセミナーで、「日本が三流国に落ちていかないようにどう変わるべきか」という議論が行われました。その中での、「アジャイル」と「45歳定年制」という二つのキーワードが話題になっています。45歳定年制については、発言者の新浪さん(サントリーHD)が「定年という表現はよくなかった」と反省していますが・・・。「アジャイル」とは、もともとシステム開発現場で使われてきた言葉で、「すばやい」「俊敏な」という意味です。事前の完成図を元に段階的に進行する「ウォーターフォール」と対比される手法。「アジャイル」は、テスト版ができたらすぐにオープンにして、走りながらどんどん修正する手法です。

現在のような先行き不透明な時代に、精緻なプランに従って計画通りに進行するのは難しい、不可能に近い。だから「まずやってみて」というアジャイル発想が向いている、という議論です。「たくさん失敗して修正する」考え方なので、「失敗を許容する文化が必要だ」との意見も出ています。

私もそのとおりだと思います。感染症不安が広がるずいぶん前から、ビジネス論文などでは強く主張されていました。高速ビジネス実験です。従来の新商品開発は、事前の消費者調査を繰り返し、高評価が出たらやっとGOでした。しかし、実際の市場では、事前調査どおりの結果にはならない。マーケッターもわかっていますが、社内稟議を通すためにもこのステップを何度も踏んでいました。しかし、テスト販売で実際に市場に出してみてから、修正して全国展開したほうがよっぽど打率が高まる。花王ヘルシア、メガマック、ネスカフェアンバサダーなどもテスト販売をしています。デザイン思考(プロトタイプを出す)、高速PDCA(仮説→実験)なども同様の発想です。

将来が予測できない今の時代、「検討に検討を重ねた計画」を、時間をかけて構築しても、実際やってみたらすぐに崩れます。前提条件がどんどん変わる。「失敗を許容する文化」が必要ですね。いや「失敗」ではない。「行動」であり、「挑戦」です。どんどん挑戦して、どんどん修正したいです。

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